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「生活保護減額は違法」大阪地裁判決尊重せよ 共産党市議団 市長に控訴断念要請 |
生活保護費減額は違法とした大阪地裁判決を受け、日本共産党大阪市議団は4日、被告(国と大阪府内12市)である大阪市の松井一郎市長に対して控訴しないよう求める申し入れを行いました。山中智子、井上浩、寺戸月美、長岡ゆりこ各市議が参加しました。
山中団長は「(このような判決を)一つひとつ積み重ねる中で、生活保護への偏見がなくなっていくことが、すべての人の幸せにつながる。ぜひ判決を尊重していただきたい」と話しました。
控訴の期限は8日です。申し入れ書は、コロナ禍で生活保護利用者の生活環境はいっそう厳しさを増しており、控訴により訴訟を長引かせるのではなく、コロナ禍でのセーフティーネット(安全網)としての生活保護制度を守り、市民の生活を守るよう訴え。判決の意義を重く受け止め、市は控訴せずに判決を確定することを求めるとともに、国、大阪市以外の11市にも同様の措置をとるよう働きかけることを要請しています。
(2021年3月5日付しんぶん赤旗)
2021年3月4日
大阪市長 松井一郎 様
日本共産党大阪市会議員団
団長 山中 智子
この判決では、厚生労働者や大阪市を含む各自治体が引き下げの根拠にした「デフレ調整」について、2008年の原油や穀物高騰などの特異な物価上昇を盛り込み、その後の物価下落率を大きくみたこと。また、総務省の消費者物価指数ではなく、厚生労働省が独自に算出した「生活扶助相当CPI」によって、物価の変化率を算出し、変化率をより大きくみたこと。以上の2点から一般世帯より生活保護利用世帯の方が、物価の下落による影響を強く受けている前提としたことは、裏付ける統計や専門家の資料がみうけられず、「客観的な数値との合理的関連性や専門的知見との整合性を欠く」ことが指摘されました。
「苦しい実態をわかってほしい」と訴えを起こされた原告の皆さんや、生活保護利用者さんたちの思いが届き、生活実態に即した、ごく当たり前で妥当な判決下されたと、私たちは認識しています。
原告はじめ生活保護を利用するみなさんは、コロナ禍のもと、ますます厳しい生活環境となっています。このような状況で控訴により訴訟を長引かせるのではなく、コロナ禍でのセーフティネットとしての生活保護制度を守り、市民の生活を守っていただきたいと思います。
つきましては、大阪市が大阪地裁判決の意義を重く受け止め、控訴せずに判決を確定することを強く求めます。併せて、国及び本市以外の処分庁に対しても、同様の措置をとるように、働きかけていただきたく要請いたします。
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