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コロナ死者最多が常態化

大阪 対策求め市長に申し入れ

 

 日本共産党大阪市議団は7日、「新型コロナウイルス感染症から市民のいのちと健康を守るための申し入れ」を松井一郎市長宛てに提出しました。大阪市健康局の新谷憲一局長らが対応しました。

 大阪は、コロナによる死者が突出して多いにもかかわらず、原因究明や対応策の検討が一向に見えず、「検査難民」「受診難民」が当たり前、救急搬送も危機的状況に陥るなど、「災害級の医療崩壊」を招いています。命がけで市民の命を守り続ける医療・介護従事者からは「限界」の声があがっています。

 山中智子市議団長は、第7波の急激な感染拡大で苦しむ市民の声を伝え、「全数把握の見直し」などの方向性について、「国に対して、小手先の判断ではなく現場の声と専門家の意見を聞き、何よりも命を守ることを第一にすべきだと求めてほしい」と強く要望しました。

 申し入れでは、▽医療崩壊状況を正確に市民に知らせ、感染力が高く死者も多いオミクロン株の実態を情報発信する▽なぜ全国最多の死者数が大阪で常態化しているのかを真摯(しんし)に分析・検討し、必要な対策をただちに行う▽発熱外来の抜本的な充実・強化と、夜間、土日含めた迅速な診察や検査体制を整える▽情報弱者のための医療等へのアクセス方策の構築▽保健所等体制の抜本的強化−などを求めています。

(202298日付しんぶん赤旗)


大阪市長 松井一郎 様

 新型コロナウイルス感染症から市民のいのちと健康を守るための申し入れ

                            202297

                      日本共産党大阪市会議員団

                                             団長 山中 智子

 

 新型コロナウイルスは第7波にまで及び、これまで経験したことのない急激な感染拡大となりました。

発熱外来がひっ迫し、受診しようにも電話がつながらない、予約がとれないなど、「検査難民」「受診難民」が当たり前になっています。救急搬送も熱中症と相まって危機的な状況に陥り、医療機関からは、「限界点」「災害級の医療崩壊」という声も上がっています。コロナの感染拡大により、他の疾患の患者の受け入れにも大きな影響が出ています。

 大阪は、コロナによる死者が突出して多い状況が続いているにもかかわらず、原因の究明や対応策の検討が必死に行われているようには見受けられません。また、大規模イベントや地域などでの人が密集する行事も開催され、「限界点」で患者や利用者の命を守り続ける医療・介護従事者は、怒りに震えておられます。このままでは、インフルエンザ流行とともに、また、全国的な医療崩壊、さらに大阪では全国一の死者数という惨状が繰り返されるのではないかと危惧するものです。

 市民の命と医療に責任を負う立場から、府任せではなく、必要な主体性を発揮した情報発信や対応策の構築を急がれるよう要望いたします。

 

1.  災害級の医療崩壊状況であることをリアルに正確に市民に知らせる。また、「重症化しない」という言葉が独り歩きしないよう、感染力が高く死者も多いオミクロン株の実態について情報発信に努める。

2.  なぜ全国最多の死者数が大阪では常態化しているのかを真摯に分析・検討し、必要な対策をただちにおこなう。

3.  発熱外来の抜本的な充実・強化をすすめる。夜間、土日を含め、発熱者などへの迅速な診察やPCR検査体制を整えるとともに、希望する濃厚接触者に抗原検査キットを配布するなど、濃厚接触者の検査の道を開く。

4.  情報弱者の方々が必要な医療や支援にアクセスできる方策を構築する。

5.  保健所・保健福祉センターの体制を抜本的に強化する。

6.  取りざたされている「全数把握見直し」「指定感染症の見直し」について、国に対して、拙速・安易・その場しのぎの判断ではなく、現場の声と専門家の意見を十分に聞き、何よりも「命が守られるか」「患者・国民の不利益にならないか」を第一に判断するよう、強く要望する。