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市議団の実績

大阪市会閉会本会議(2006年10月13日)での決議・意見書のあつかい

 

 10月13日に開かれた9・10月市会閉会本会議では、2つの決議、4つの意見書が採択されました。

 「北朝鮮の核実験に抗議し核兵器廃絶と恒久平和を求める決議」は、与党の提案に日本共産党も賛成し、全会一致で採択。

 「地対財特法期限後の関連事業等の早急な見直しを求める決議」は、日本共産党が提案した「『同和行政』の完全な終結を求める決議」への対案として与党が提案したもので、下田敏人議員が決議の採択を求める討論をおこないました。与党案が採択されたため、日本共産党案は一事不再議の扱いになりました。

 「出資法及び貸金業規正法の改正を求める意見書」は日本共産党の「サラ金等の高金利引き下げを求める意見書」への与党の対案。「リハビリテーションの診療報酬改定に関する影響調査と改善を求める意見書」は、日本共産党の「リハビリ打ち切りに係わる調査と改善を求める意見書」への与党の対案。いずれも、協議の結果、日本共産党は与党案に賛成し、全会一致の採択となりました。

 「肝炎対策の推進に関する意見書」「脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書」はいずれも与党が提案したもので、日本共産党も賛成し全会一致で採択されました。

 

 

 

北朝鮮の核実験に抗議し核兵器廃絶と恒久平和を求める決議

                   (与党案、全会一致採択)

 

 世界の恒久平和は、人類共通の願いであり、我が国は、世界で唯一の被爆国として、これまでも非核3原則を国是として、核兵器の廃絶を求めてきた。

 本市会においても、「平和都市宣言」など幾度となく平和に関する議決を行い、核実験の禁止と核兵器の廃絶を求め、平和への祈願を内外に表明しているところである。

 こうしたなか、去る10月9日、北朝鮮は、国際社会が国連安保理議長声明の採択をはじめとした様々な取り組みにより自制を促してきた努力を踏み躙る形で、核実験を強行したことを表明した。

 北朝鮮による核開発は、我が国の平和と安全に対する直接の脅威であると同時に北東アジア及び国際社会全体の平和と安全に対する重大な挑戦であり、今回の北朝鮮の核実験は、いがなる理由によるものであっても正当化の余地はなく、その無謀な暴挙は断じて許されるものではない。

 よって本市会は、世界の恒久平和を実現するため、北朝鮮の核実験に対し厳重に抗議し、北朝鮮が直ちにすべての核兵器及び核計画を放棄することを強く求めるとともに、我が国政府においては、国連憲章第7章に基づく措置も含め、国際社会が結束した外交を展開し、平和的な解決を図られるよう強く求めるものである。

 以上、決議する。

 

 

「同和行政」の完全な終結を求める決議

           (一事不再議になった日本共産党案)

 

「芦原病院」に対する膨大な公金支出と飛鳥会「西中島駐車場」問題等は、本市「同和行政」が、いかに「解同」言いなりで、乱脈きわまりないものであったか、改めて浮き彫りにした。

本市同和事業には、1969年の「同特法」施行以来、30数年の間に、実に1兆2千億円を超える巨額の予算が投じられてきた。

それまでの劣悪な生活環境は大きく改善され、同和地区内外の格差が是正される一方、「解同」、すなわち、市同促・地区協による「窓口一本化」の下で、一般とかけはなれて立派な各種施設の建設をはじめ、過度な個人給付事業、教職員などの加配、会館等への過剰な人的配置など、いわゆる「逆差別」と言われる事態を生じさせてきた。

そうして、これら巨額の建設土木工事が、「同建協」業者に独占発注されるなど、「解同」一部幹部の利権と腐敗の温床となってきた。

こうして、同和行政が、その使命を終えた以降も、延々、不公正乱脈な同和事業が続けられ、2001年度末の「地対財特法」失効後も、なお、人権施策の名で、同和特権が温存され、同和特別扱いが続けられている。差別解消どころか、逆に問題解決を遅らせているのである。

今、なすべきは、これまでの深刻な反省の上に立って、本市同和行政を歪めてきた、「解同」、すなわち市同促改め人権協会との関係を断ち切り、一切の同和利権、同和特権を一掃し、完全に同和行政を終わらせることである。

以上、決議する。

 

 

 

サラ金等の高金利引き下げを求める意見書(日本共産党案)

 

サラ金などの異常な高金利による利払いに追われ、多重債務に陥り、破産や自殺にまで追い込まれる悲劇が後を絶たない。

利息制限法の上限金利(15〜20%)と出資法の上限金利(29.2%)の差は灰色金利と呼ばれ、利息制限法に基づき再計算すると、既に過払いになっていたという事例が後をたたず、最高裁は灰色金利を基本的に認めない判断を相次いで示している。

こうしたなかで、灰色金利を廃止し、上限金利を一本化する貸金業規制法改正に向けた動きが大詰めを迎えている。

ところが、高金利温存をねらうサラ金業界がこれに激しく抵抗し、高金利特例を設ける案が金融庁や与党から出されるなど、逆流も強まっている。

よって、国におかれては、多重債務の要因に灰色金利等の高金利があることに鑑み、法の改正にあたっては、出資法上限金利を利息制限法上限金利に一本化する措置をとられるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

 

出資法及び貸金業規制法の改正を求める意見書

(与党の対案、全会一致採択)

 

 個人の破産中立件数は、過去5年間の累計が約100万人に上り、潜在的な破産予備軍も150万人〜200万人と言われている。リストラや倒産による失業や収入減などのため、消費者金融、クレジット、商工ローン等で多額の債務を負い、返済不能に陥った多重債務者や中小零細事業者が破産者の中心であり、ホームレスや家庭崩壊、自殺、犯罪など、深刻な社会問題を引き起こしている。

 こうした破産者や多重債務者を生み出す最も大きな原因は異常な高金利である。「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という)では29.2%を超える利息の徴収に対して刑事罰の対象としているため、利息制限法の制限金利15〜20%を上回り、出資法の刑事罰の対象とはならない29.2%までのグレーゾーンとなる高金利で多くの貸金業者が貸し付けを行っており、債務者が本来支払う必要のない利息を支払うことにより破産や多重債務に陥っている。

 また、「貸金業の規制等に関する法律」(以下「貸金業規制法」という)のみなし弁済規定は、一定の要件を満たした場合には利息制限法の制限金利を超える利息の支払いについても債務の弁済とみなすとするものであるが、実態として貸金業者の高金利での貸し付けを助長することとなっており、本規定の適用に厳格な最高裁判決が相次いで示されている。

 さらに、出資法の特例規定により年54.75%という高金利を適用することが許されている日賦貸金業者(日掛け金融)については、悪質な貸し付け・取り立ての温床となり、その被害が発生しているところであり、また、同様の特例が認められている電話担保金融についても、実質的には電話加人権の財産的価値が失われており、もはや特例を認める必要性はなくなっている。

 こうした中で、今国会において法改正案の提出が現在検討されているが、改正内容をめぐっては国会内外で様々な議論がなされているところである。

 よって国におかれては、市民生活の安定を実現するため、実効性のある法改正について国会において十分に議論し、出資法の上限金利を利息制限法の制限金利まで引き下げるとともに、貸金業規制法のみなし弁済規定及び出資法における日賦貸金業者や電話担保金融に対する特例を廃止されるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

 

リハビリ打ち切りに係わる調査と改善を求める意見書(案

 

厚生労働省は、本年4月の診療報酬改定で、寝たきり老人防止のための機能低下防止リハビリや脳卒中後の機能回復訓練リハビリに給付日数の上限を設けた。また、リハビリを新たに4系統疾患別に編成し、医療機関にハードルの高い施設基準をすべて満たす届け出の提出を求めた。

こうしたことによって、脳卒中後のリハビリがわずか6ヶ月の期限となるなど保険診療枠で受けられる患者が限定されるようになり、人件費等の負担による経営難からリハビリを廃止する医療機関もうまれている。

これまで社会的に貢献してきたリハビリを、医療費抑制のために切り捨て、患者や医療機関に負担をしいることは到底許されるものではない。

よって、国におかれては、リハビリの診療報酬改定に関する影響を十分調査し、必要な改善をはかられるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

 

リハビリテーションの診療報酬改定に関する影響調査と改善を求める意見書

(与党の対案、全会一致採択)

 

 平成18年度の診療報酬改定により、リハビリテーションについては「急性期から回復期、慢性期を経て在宅療養への切れ目のない医療の流れをつくり、患者が早く自宅に戻れるようにすることで、患者の生活の質(QOL)を高め、また、必要かつ十分な医療を受けつつトータルな治療期間が短くなる仕組みを作ることが必要である」との基本方針に沿って、現行の療法別体系を改め、新たに脳血管疾患等リハビリテーション等の4つの疾患別体系とされるとともに、疾患ごとの保険診療適用期間の上限設定や、集団療法の評価の廃止などの見直しが実施された。

 しかしながら、その結果、少なくない患者がリハビリテーションを打ち切られたり、訓練回数を制限されたりする事態が生じており、このままではリハビリテーションを必要とする患者の身体機能の低下も懸念されることから、患者の立場に立った見直しが必要である。

 よって国におかれては、国の責任において、リハビリテーションに関する診療報酬改定による患者への影響を調査するとともに、個々の患者の必要に応じた十分なリハビリテーションを提供できるように、速やかに必要なリハビリテーションの診療報酬の見直しを図られるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

 

肝炎対策の推進に関する意見書

(与党提案、全会一致採択)

 

 現在、我が国には、肝炎ウイルスの感染者がB型で約150万人、C型が約200万人いるといわれている。

 とりわけC型肝炎は、過去に大きな手術をされた方、出産等で出血の多かった方は、止血の目的で使用されたフィブリノゲン製剤により、C型肝炎ウイルス感染の可能性が高いと考えられている。

 肝炎は、感染してもほとんど自覚症状がないため、感染していることに気づかない場合が多く、放置すると肝硬変や肝がんに移行する危険性の高い深刻な病気である。肝がんの大部分はC型肝炎ウイルスに起因しており、特に大阪は肝がんによる死亡率が全国一高いという状況であるため、早急な対応が求められている。

 このような中、国は肝炎検査体制の整備を図るなど、総合的な対策に取り組まれているが、さらにその根絶に向けて、感染の原因を解明するとともに、感染者を早期に発見し、早期に治療ができるシステムの構築が至急必要である。

 よって国におかれては、肝炎対策のさらなる推進を図るため、追跡調査による感染実態の究明、肝炎ウイルス検査体制の一層の充実、ウイルス性肝炎の治療体制の整備や治療水準の向上を図るとともに、診療等にかかる費用の自己負担の軽減措置を講じられるよう強く要望する。また肝炎に対する偏見・差別をなくすため、正しい知識の普及・啓発に努められるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

 

脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書

(与党案、全会一致採択)

 

 脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ障害、落下事故、暴力などによる頭部や全身への強い衝撃によって脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、うつ症状、睡眠障害、極端な全身倦怠感、疲労感等の様々な症状が複合的に発現する病気であり、難治性のいわゆる「むち打ち症」の原因として注目されている。

 しかし、この病気は、これまで原因が特定されない場合が多く、「怠け病」あるいは「精神的なもの」と判断されたため、患者の肉体的、精神的苦痛はもとより、患者の家族等の苦労も計り知れなかった。

 近年、この病気に対する認識が徐々に広がり、本症の研究に取り組んでいる医師らにより、新しい診断法、治療法(ブラッドパッチ療法など)の有用性が報告されている。そのような中、医学会においても脳脊髄液減少症に関して本格的な検討を行う機運が生まれつつある。長年苦しんできた患者にとって、このことは大きな光明となっている。

 しかしながら、この病気の一般の認知度はまだまだ低く、患者数など実態も明らかになっていない。また、全国的にもこの診断、治療を行う医療機関が少ないため、患者、家族等は大変な苦労を強いられている。

 よって国におかれては、以上の現状を踏まえ、下記の措置を講じられるよう強く要望する。

 

 

 

1.交通事故等の外傷による脳脊髄液漏れ患者(脳脊髄液減少症患者)の実態調査を実施するとともに、患者、家族に対する相談及び支援の体制を確立すること。

2.脳脊髄液減少症について更に研究を推進するとともに、診断法及び治療法(ブラッドパッチ療法など)を早期に確立すること。

3.脳脊髄液減少症の治療法の確立後、新しい治療法に対して早期に保険を適用すること。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。