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市議団の実績

閉会本会議(3月27日)での意見書の採択

 3月27日の大阪市議会閉会本会議では、4つの意見書が全会一致採択されました。いずれも、日本共産党議員団が自民・公明・民主に対し提案していたもので、自民・公明・民主から対案が出され、共産党議員団は最低賃金制度に関する意見書パートタイム労働者等の待遇改善に関する意見書『気候保護法』(仮称)の制定に関する意見書については対案に賛成しました。官公需の契約における適正な賃金・労働条件の確保に関する意見書は共産党も賛成しましたが、共産党の原案も提出。原案の方は一事不再議になりました。

 


最低賃金制度に関する意見書

  最低賃金制度は、労働者の賃金・労働条件の改善に重要な役割を果たし、労働者の生活の安定や労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保に貢献してきたところである。

 昨年7月には改正最低賃金法が施行され、地域別最低賃金を決定する場合には、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性にも配慮する条項が新たに追加されている。

 大阪地方最低賃金審議会では、法改正の趣旨を踏まえ、大阪府最低賃金を原則として2年以内に生活保護費を下回らない水準とすることが適当とする答申を出され、昨年10月には、この答申に基づき、地域別最低賃金額が17円引き上げられて、時間額748円に改正されている。

 しかしながら、最低賃金制度の趣旨及び金額が事業主や労働者に十分に周知されていない状況があり、また一方で、就労形態の多様化が進行しており、最低賃金制度の重要性がますます高まっているところである。

 よって国におかれては、本制度の意義・目的を踏まえ、最低賃金制度の趣旨及び内容の周知徹底並びに監督体制の拡充など制度の充実を図るとともに、適正な地域別最低賃金の金額水準を確保されるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


パートタイム労働者等の待遇改善に関する意見書

  わが国のパートタイム労働者は、総務省の労働力調査における週間就業時間35時間未満の短時間雇用者(非農林業)で見ると、平成20年には1407万人に上り、雇用者総数の25%を超え、今や労働の場において重要な位置を占めている。

 1994年6月、国際労働機関(ILO)では、「パートタイム労働者に関する条約(第175号)」とその勧告(第182号)が採択され、その中で、パートタイム労働者の権利や社会保障、労働条件等のフルタイム労働者との「均等待遇」を保障する措置を講ずることが求められている。

 わが国においては、昨年4月に、改正パートタイム労働法が施行され、パートタイム労働者から正社員への転換を推進するための措置を講じることが事業主の義務とされたほか、パートタイム労働者の賃金の決定、教育訓練の実施等について、正社員との均衡を考慮し、職務の内容、成果、能力、経験等を勘案することが事業主の努力義務とされたところであるが、今なおその処遇に大きな格差が存在している。

 雇用・失業情勢は、今後さらに厳しくなると予測されており、パートタイム労働等が良好な就労形態として選択できるよう、さらなる労働条件の整備や処遇改善が求められているところである。

 よって、国におかれては、パートタイム労働者等の一層の待遇改善を図るための実効ある施策を講じられるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


「気候保護法」(仮称)の制定に関する意見書

  昨年2008年、京都議定書の第一約束期間が始まったが、わが国の動きはまだ活発とは言い難く、むしろ二酸化炭素を中心とする温室効果ガスの排出量は増加している。

 一方、気候変動による悪影響が世界各地で年々顕著になっており、このままでは、将来世代に安全・安心な地球環境を引き継げず、私たち自身の生活の安全や経済活動の基盤にも深刻な影響が及びかねない状況にある。

 このような中、昨年7月に開催された洞爺湖サミットでは、2050年までに温室効果ガスを半減する必要があることが合意された。そのため先進国は、2007年バリ合意に沿って、率先して大幅な削減を実現しなければならない。

 とりわけ日本は、今後、気候の安定化のために世界各国と協調した温暖化防止対策を実践することが重要となるのであり、温室効果ガス削減の中長期的目標を設定して、その目標を達成するための施策を包括的かつ総合的に導入・策定し、実践していく必要がある。

 このため、2050年を見通した中長期の排出削減目標を明記し、これらの目標達成のための経済的な仕組みや再生可能エネルギーの大幅導入、地域での削減政策を推進できるための措置などを盛り込んだ、地球温暖化をくい止め、低炭素社会を築いていくための包括的な法律づくりの重要性がますます高まっているところである。

 よって国におかれては、温室効果ガス排出量削減日標達成の実効効果を高めるための法整備として上記内容を約束する「気候保護法」(仮称)を制定されるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


官公需の契約における適正な賃金・労働条件の確保に関する意見書

  昨今の厳しい経済情勢の中、国や地方自治体などが発注する官公需の減少や受注競争の激化のため、労働者の仕事量が減少し、単価や労務費が引き下げられ、労働者の生活に大きな影響を及ぼしている。

 多くの欧米諸国においては、公契約における賃金を確保する法律、いわゆる公契約法を制定しており、また、我が国においては法体系、労働条件の決定の仕組みが異なることなどから批准されていないが、国際労働機関(ILO)においては、1949年に「公契約における労働条項に関する条約(第94号)」が採択されているところである。

 このような状況のもと、国会においては、平成1211月、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の成立時に附帯決議を付し、元請企業等と下請企業の契約関係の適正化・透明化や建設労働者の賃金・労働条件の確保などを強く求めているところである。

 よって国におかれては、官公需の契約における適正な賃金・労働条件を確保するため、関連業界を厳しく指導するなど実効性のある対策を講じられるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


公契約における公正な賃金・労働条件の確保を求める意見書

(日本共産党議員団の原案、一事不再議)

 今、国や地方自治体が発注する事業をめぐって、人件費を無視したダンピング受注が横行し、下請企業とそこで働く労働者に、深刻なしわよせが押し付けられている。労働者の賃金が最低賃金法に違反して契約時の積算単価を大きく下回ったり、賃金の不払いまでおこっているのである。

本来、住民の生活を保障し、地域経済の振興をはかるべき国や地方自治体は、自ら発注する事業に従事する労働者に適切な賃金等が確保されるよう、責任を果たすべきである。

ILO(国際労働機関)が1949年6月に採択した94号条約(公契約における労働条項に関する条約)では、国や地方自治体など公的な機関が発注する事業に従事する労働者に適正な水準の賃金・労働条件を確保するよう契約に明記することを義務付け、すでに59カ国が批准している。

よって、国におかれては、ILO94号条約を批准し、公共関連事業に携わる労働者の賃金・労働条件を適正に確保する「公契約法」を制定されるよう強く要望する。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。