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 「舞洲スポーツアイランドをより充実した、市民のスポーツと健康づくりの場に」

2002年9月22日

    日本共産党大阪府委員会は、舞洲スポーツアイランド(此花区)の一角を借り て「大阪赤旗まつり」を開催するにあたり、舞洲スポーツアイランドを市民のス ポーツと健康づくりの貴重な一大空間として、より発展・充実させることを願っ て、この提言を発表する。

    舞洲スポーツアイランド(126.5ha)は、大阪市制100周年事業の一 つとして、「競技のためのスポーツ」だけでなく、「楽しみ、健康づくり、豊か な人間関係をはぐくむスポーツ」が「よりよい市民生活が求められる時代」に必 要だとして、1990年から1200億円の事業費をかけて整備が進められてき た。
 当初計画のうち、公共(大阪市港湾局)が直接整備する施設である舞洲緑地、 舞洲緑道、舞洲アリーナや舞洲球場、多目的運動広場、野外活動センター、新夕 陽ヶ丘、舞洲陶芸館などや、第三セクター(舞洲スポーツアイランド株式会社) が整備するテニスコートなどは大半整備され、市民のスポーツやレクレーション のための貴重な場として、多くの市民に親しまれ、活用されている。
 大阪市はこの間のオリンピック招致に際して、スポーツアイランド全体を「ス ポーツパラダイス」として将来とも整備発展させるとしてきた。我が党は舞洲・ 夢洲での五輪招致計画を「無駄と浪費」の巨大開発として批判してきたが、過大 施設である五輪スタジアム・プールの計画がなくなった今こそ、真に市民の「ス ポーツパラダイス」として、スポーツアイランド計画の見直し・充実をはかるこ とが求められている。

 スポーツアイランドが今後当初目的どおり、市民のスポーツ・レクレーション の場として発展していくためには、いくつかの問題と課題がある。
(1)舞洲スポーツアイランドを今後どのように整備するかという問題では、こ の間、大阪市ソフトボール協会が3477名の連署をもって「(舞洲の現在の 『多目的運動広場』は)会場エントリーが困難なほど、利用度が高く(日曜日の 稼働率93%)、是非新たに第二多目的運動広場を設置」するよう求める陳情を 出し、市議会で採択されている。市内では、アマチュアの硬式野球場が少なく申 込が殺到してなかなか使えないことをはじめ、市民の身近なスポーツ施設は大き く不足しており、また大阪市はこれらの施設整備基本計画をもっていない。
 今こそ、「舞洲に行ったらどんなスポーツもできる」、「都心部や市街地にな い、広大な緑地がある」、「いつでも、誰でも、安く利用できる」という大阪市 民の願いに答えて、舞洲スポーツアイランドをもっと充実発展させるべきであ る。

(2)当初計画でゴルフ場などに位置づけられ、その後オリンピックスタジアム やオリンピックプールの建設が予定されていた区域20haを、スポーツアイラ ンド計画から外して、大手運送会社の物流ターミナルなどの業務用用地に転換 し、売却しようとしていることである。
 このエリアはこれまで暫定使用とは言え、「マウンテンバイク用地」や「遊び の丘」、多目的広場、セレッソの練習場などとして利用されており、スポーツ・ レクリェーションの場として今後も大きな役割を発揮できる土地であり、「業務 用用地に転換する」などは断じて認められるものではない。
 
(3)舞洲は、「瀬戸内法」で瀬戸内海の新たな埋立が原則禁止されている中 で、廃棄物処分のために例外的に認められた人工島であり、この趣旨から見ても 舞洲は、環境悪化につながる開発ではなく、大阪湾や大阪市の環境改善に資する 活用方法が優先されるべき島である。
 さらに舞洲は一部、大阪市の10ケ所のゴミ焼却場の焼却残滓・焼却飛灰で埋 立られたために、3.2kgもの量のダイオキシンが埋まっているとされてい る。これが大阪湾に流出しないよう、また構築物建設によって掘り返されないよ う永久的に管理されなければならいが、将来ダイオキシンの無害化技術が開発・実 用化されるなら無害化することも検討しなければならないなどの課題も抱えてい る。
 こうした点からも、舞洲スポーツアイランドは大阪市の環境改善、環境回復の 一大拠点、その技術発信の一大拠点と位置付け、文字どおり真にスポーツパラダ イスと呼ぶにふさわしいスポーツとレクレーション、市民の健康増進の場として 整備されるべきである。