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市民の皆さんの声と共同こそ市政改革の力です 「職員厚遇」問題、税金の無駄遣いをただし、敬老パス有料 を止めた経験を生かして市民サービス切り捨てを許さず、 市の抜本改革に向けた市民運動を呼びかけます 2005年6月 日本共産党大阪市会議員団 日本共産党大阪府委員会 大阪中央地区委員会 生野・天王寺地区委員会 西・港・浪速地区委員会 大阪二区地区委員会 木津川南地区委員会 北・福島地区委員会 城北地区委員会 西淀川此花地区委員会 淀川・東淀川地区委員会 昨年末、大阪市の職員厚遇問題が発覚いらい、大阪市に市民の大きな怒りを呼びおこしています。それは、日々の生活に苦しむ市民にとって、あまりにも庶民感覚からかけ離れた、異常な事態です。ほんらい公務員の労働条件や福利厚生は法律や条例に則して実施されるものです。それを全く逸脱しているという点で二重に許し難いものです。市民の皆さんの怒りは当然のことであり、とうてい許せるものではありません。 私たち日本共産党は、税金の無駄遣いや不正について一貫して監視、追及してきました。今回発覚した職員厚遇はその主要な原因・責任が大阪市と与党の側にあることは明白です。同時に、議会として行政へのチェック機能を十分発揮できなかったことを大変申し訳なく思っています。私たちは、今回の教訓を生かし、引き続き真相解明と原因・責任の所在を追及し、二度と起こさせないよう根を絶つために全力を尽くす決意です。 そのうえに立って、議員はじめすべての分野の厚遇、税金の無駄遣いを点検し是正を徹底することとあわせ、大阪市が、厚遇問題への市民の皆さんの怒りを逆手にとって、進めようとしている敬老優待パスの有料化はじめ新婚家賃補助制度の改悪など総額270億円の市民負担増や、公立保育所・市バス・ゴミ収集事業の民営化・民間委託など市民サービス切り捨てを許さない市民運動への取り組みと共同を心から呼びかけるものです。 一、「職員厚遇」はなぜ起きたのか、責任はどこにあるのでしょうか 先に述べましたが、地方自治体職員の福利厚生や労働条件は、法律や条例に基づくとともに、納税者である住民の支持と共感のもとに実施されるべきものです。このルールを破って行われていたのが、今回のいわゆる「厚遇」問題です。これは大阪市の税金無駄遣いの氷山の一角です。市民から行政を預かった歴代市長とそれを支えてきた、オール与党の責任はその意味で重大です。関市長は「日々の業務の見直しをおこたってきたから」とか「現在および過去の幹部職員に猛省を促す」などとまるで人ごとのように語っています。行政の長としての責任感や根本的反省が伺えないというべきではないでしょうか。 なぜこんな異常なことが長年続いてきたのでしょうか 日本共産党は、この問題が明らかになった昨年12月、公費飲食や入札を巡る収賄事件など税金の無駄遣いや不正を一貫して追及してきた経験をふまえ、姫野浄市議団長名で、カラ残業、ヤミ手当・退職金等の全容解明と見直しを市長に申し入れ、さらにその原因、責任の解明を行ってきました。 大阪市では、約40年間にわたって、自民・公明・民主などオール与党が、助役をたらい回し的に市長候補に担ぎ出し、これを財界・大企業が応援、大阪市役所内で主流をなしてきた連合系労組「市労連」が組織戦の中軸を担うという構図で選挙が続けられてきました。条例から逸脱した一連の「厚遇」などは「市労連」に対する「論功行賞」というべきでしょう。日本共産党大阪市議団は、その後、労使交渉資料などを示してその点を追及しましたが、市当局は「今からそれを検証するすべがない」という答弁で逃げています。 オール与党も、3月議会で、わが党議員団が提案した職員厚遇問題の「責任の所在明確化」を求める決議を否決、五月の議会では、真相究明のための特別委員会(地方自治法に基づく百条委員会)設置の提案も否決しました。与党各党は、真相究明を恐れていると言わざるをえません。 調査委員会の怒り さらに重大なのは、外部調査に関わる問題です。福利厚生制度等改革委員会は4月に、「是正だけでは改革でない」として、過去に遡っての真相解明を強調する報告書をまとめ、市当局も市民運動を進めてきた弁護士を責任者とする調査委員会を発足させました。ところが同調査委側は最近「正面から問題解明する気がない」と市の姿勢を批判したと伝えられています。真相究明への市民の世論と監視が引き続き重要になっています。 労働組合運動のあり方にも深刻な問題提起 職員厚遇問題は、自治体労働組合のあり方にも深刻な問題を提起しています。日本共産党は、地方公務員で組織されている自治体労働組合は地方自治の本旨を実現することを基準に自らの要求や活動を律するべきだと考えています。そして労働組合は、行政や政党・政治団体から独立を確保し、あくまでも政策に基づく協力・共同の関係でなければならないと考え、党としても、この立場を実際に貫いてきました。今回の事態を許した背景にこうした基準からの逸脱や不徹底があると考えています。条例や規則に基づく場合は別として、専従役員の給与を行政に依存するとか、特定政党・政治団体への支持を義務づけるというのは論外です。「日歯連事件」など金や利権で結びつく自民党と業界の関係と同じ次元だからです。その意味で長年連合系に主導されてきた大阪市の労働組合運動の反住民性が市民的に露呈、一つの転機を迎えているのではないでしょうか。私たちは真の自治体労働組合へ新しい前進がきりひらかれることを大いに期待するものです。 二、すべての税金の無駄遣いを点検しメスを 職員厚遇の真相解明へ監視を強めつつ、すべての分野で厚遇と税金の無駄遣いを点検しメスを入れることが重要です。 議員が率先して襟を正す 日本共産党は、議員と議会がまず襟を正し、「豪華海外視察」や市バス・地下鉄の無料パスとあわせて交通費の二重取りと言うべき議会出席のための費用弁償の廃止などを提案してきました。共産党は無料パス・費用弁償とも返上していますが、オール与党はこの提案を拒否しています。行政へのチェック機能という、議会の役割を果たすためにもこのことが大事であり、制度の廃止へ引き続きがんばる決意です。 大型開発・三セク事業を総点検する 大阪市は、ATC・WTCなど、第三セクター5社が膨大な借金を抱えて事実上倒産していますが、銀行への借金返済の肩代わりなど40年間で2600億円も公金を投入しようとしています。これこそ大阪市の財政危機の原因であり、税金無駄遣いの最たるものではないでしょうか。 昨年の市長選挙では、1億円の税金を納める高額納税者が、無人島への地下鉄建設や破綻三セク事業への膨大な税金投入に怒りの声を上げ、「大阪市をよくする会」推薦の渡辺武候補へ「税金は困った人のためにこそ使うべき。これでは納税のしがいがない」とのエールを送ったほどです。 同和行政を聖域化、タブー化せず 不公正・乱脈な同和行政は税金の無駄遣いのもう一つの大問題です。学校教育へ暴力的に介入した、1968年の「矢田事件」いらい、部落解放同盟幹部らの暴力・恫喝に屈して「同和」と名が付けば、どんな不合理もまかり通り、聖域化・タブー化してきました。この結果同和対策特別措置法が終了するまでに一兆円を超す予算が投じられ、終了した今もなお年間約130億円の予算が組まれています。「人権文化センター」(旧解放会館)「青少年会館」には、依然として過剰な人員が配置されています。市職員と「解同」活動家が渾然一体化しているという実態もあります。 三、市の「改革」方針で大阪市の税金無駄遣いは直るでしょうか 大阪市は昨年6月「市の財政は五年後には年間1200億円もの収支不足に陥る」として財政再建・行政改革の「処方箋づくり」を始めました。市が、市民の批判をうけ、職員の厚遇問題に手をつけなければならなかった背景もここにあります。しかし、それだけでは焼け石に水であることは火を見るより明らかです。財政危機の根本の、無駄遣い全体に、市民の目線でメスを入れてこそ真の改革ではないでしょうか。 大阪市はこの4月に「市政改革本部」を立ち上げ、「活動方針」を発表しました。9月末までに向こう2年間の「抜本的な市政改革のための基本戦略」を策定するとしています。しかし、その内容は税金の無駄遣いをなくせという市民の期待にそむくものといわざるを得ません。 「市民の自律を低下さす」と福祉を敵視 「方針」の基本となるのは、小泉内閣の痛み押しつけの「構造改革」のブレーンの一人である本間正明・阪大大学院教授が座長としてまとめた「提言」です。関市長自身、この「提言」の理念に沿って「改革」を進めると明言しています。 「提言」の理念とは何でしょうか。「行政主導で行ってきた福祉施策が市民の自律意識を低下させ…都市・人の活力の喪失につながった」というとんでもないものです。そして今後は「公平・平等の行政の常識的発想」から「重点的な産業政策への転換を図るべきだ」とし、それを市長が「トップダウン方式」でやれとハッパをかけています。「住民福祉の増進」という自治体本来の役割の投げ捨て、大企業へのさらなる「奉仕」を強権的にやろうとしているというべきではないでしょうか。 負担増と民営化・民間委託でサービス切り捨ての大計画 市民サービス切り捨ての具体的な方法は次の二つです。 その一つは、サービスの廃止・削減による市民負担増です。大阪市財政局が、職員厚遇が大問題になっているさなかの昨年12月に発表した「市民サービス再構築案」では、敬老パス・児童放課後いきいき事業・新婚家賃補助制度・保育料助成制度・高齢者水道料金減免制度など、14項目、総額270億円もの負担増が目白押しです。 もう一つは、民営化・民間委託です。公立保育所に加え、市バス・ゴミ収集事業など市民の暮らしに関わる広範囲にわたるものです。これらは安全やサービスの低下、料金の値上げなどにつながることが強く危惧されます。 小泉内閣は高齢者の住民税非課税廃止、介護保険のホテルコスト導入など七兆円の負担増を07年度までに実施又は計画しています。市の「改革」案はこの悪政から市民を守るどころか痛みに追い打ちをかけるものです。 大型開発など最大の無駄遣いや厚遇にはメス入れず こうした市民サービス切り捨て計画の一方で、無人島への地下鉄建設や破綻した三セク支援など、最大規模の無駄遣いは温存・継続。05年度予算には、新しく誘致する企業への「30億円の助成金」とともに開発費用を計上しています。こうした、一点集中的大型開発、外部からの誘致主義が大阪経済の再生につながらないことはこれまでの歴史が示しています。これが財政困難ななか「重点的な産業政策への転換」という新しい装いでやられようとしているのです。 市の「改革」方針では同和行政の無駄遣いについても一言も触れていません。税金の使い方の不公正さでも、人員配置の不適切さでも最たるものであり、その放置は絶対許せるものではありません。 まやかしの「情報公開」、市民は「蚊帳の外」 市政改革本部は「大阪市の情報公開の度合いは全国最低…これが改革をはばんできた」とのべ、五月に同条例の改定を提案しました。しかし内容は市長に情報公開の「努力」を義務づけているにすぎません。市がもっている情報は「公開を原則とする」というわが党の修正提案に市長もオール与党も反対しました。これでは市民は改革の「蚊帳の外」におかれかねません。市民の監視をいっそう強める必要があります。 四、税金は市民のためにこそ使う ― 市民サービス切り捨て許さぬ大運動で市政の抜本改革を 以上、述べてきたことの上にたって、大阪市政のあるべき方向を提案し、皆さんの幅広い対話と運動を呼びかけるものです。 日本共産党の改革方向の提案 日本共産党は憲法第92条と地方自治法第1条に規定された「住民福祉の増進を図る」という自治体ほんらいの責務を貫くことを基本に据えて、次の改革方向を提案します。 その第一は、公共事業・同和行政など一つひとつを点検し税金の無駄遣いを徹底してただす。その上で、予算を市民福祉の向上、中小零細企業支援第一に切り替える 第二に、市民が主人公の立場で情報公開と市民参加制度を確立・強化する。そのために、専門家はじめ、各界各層、地域から知恵を集めることが必要です。 第三は、職員が市民への奉仕者という自覚と誇りを持って仕事に取り組み、市民サービス向上へ地方自治法で規定している「最少の経費で最大の効果をあげる」効率的な行政を確立することです。その方向で行政改革、区役所の権限強化と区民により身近なものにするなど組織改革を進めます。 第四に、職員の労働条件や福利厚生は、市民の税金でまかなわれるものであり、市民の納得、法と条例を基準に、すべての労組と当局が対等平等に協議し、議会に諮るという原則を貫くことです。 第五に、議会は無料パスなど議員の特権的な処遇を率先して廃止するとともに海外視察のあり方を抜本的に見直し、市民の代表として行政へのチェック機能をフルに発揮する。そのためにも市民の議会傍聴への機会と場所、広報を拡充することが不可欠です。 敬老パス・新婚家庭の家賃補助の改悪など市民サービス切り捨て計画の撤回、 市政改革を求める市民大運動を 最後に、大阪市が予定している敬老パスの有料化、新婚家賃補助の改悪など、14項目、270億円にのぼる市民負担増や保育所はじめとする民営化などサービス切り捨て計画の撤回を求めて市民的大運動への広範な共同を呼びかけるものです。日本共産党は、市民の声が市政を変える何よりの力だと考えています。 敬老パス有料化を阻止した、あのエネルギーをさらに深く広く広げ、市民サービス切り捨て反対、市政の抜本改革に向けた運動にともに立ち上がろうではありませんか。
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