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大阪市が2003年度予算案を発表

ムダと浪費の大型開発を優先

「財政非常事態」口実に市民要求切りすて

大阪市が2003年度予算案を発表

ムダと浪費の大型開発を優先

「財政非常事態」口実に市民要求切りすて

  大阪市は13日、2003年度予算案を発表しました。

 大阪は、失業、企業倒産など、多くの経済指標が大都市経済圏の中でも最悪の数値を示し、小泉悪政のもとで、市民のくらし・営業はかってなく深刻な状況になっています。こういう時こそ、大阪市が地方自治体本来の役割を発揮し、市民生活の支援に全力をあげることが強く求められています。

 ところが、「財政非常事態」を口実に、福祉・教育など切実な市民要求にはこたえず、その一方、ムダな巨大開発には巨費を投入。このような逆立ちした市政に市民の批判が高まることは必至です。

 <国保料を4年連続引き上げ>

 一般会計は1兆7884億円(前年度比2・2%の減)、特別会計は2兆5249億円(前年度比0・3%の増)、総額4兆3313億円(前年度比0・8%の減)となっています。市税収入は、5946億円、前年度より398億円の減少です。6000億円台を割りこむのは、1986年度決算(5709億円)以来17年ぶりです。地方交付税は800億円を予定しています。

 市民負担増では、国民健康保険料が4年連続の3%アップ。年額86238円が88826円になります。毎年の値上げで保険料滞納世帯は2001年度で21・1%にもなっており、払いたくても払えない状況がさらに広がります。介護保険料や市立大学授業料なども引き上げられます(別表)。

公共料金値上      
     
国民健康保険料 年額86,238 88,826
介護保険料 月額3,381 3,580

市立大学授業料

     
大学院 年額496,800 520,800
年額248,400 260,400
看護短期大学部 年額361,800 379,200
栄養専門学校授業料 年額496,800 520,800
デザイン教育研究所授業料 年額217,800 228,000
看護専門学校      
授業料 年額54,000 74,000
入学金 20,000 30,000
助産師学院    

 

授業料 年額90,000 104,000
入学金 30,000 40,000
保健専門学校      
授業料 年額90,000 104,000

 

<介護保険利用料減免、30人学級などは見送り>

市民から繰り返し請願が出されるなど、切実な要求になっている介護保険制度の拡充について、保険料を引き上げるばかりか、利用料の減免は拒否。政令市でも名古屋、仙台、京都などが踏み出している少人数学級の実現も見送っています。

また、障害者作業所、学童保育への補助金はすえおき、生活保護世帯への一時金を昨年末、一世帯あたり約2000円減額しましたが、この冷たいしうちを継続するとしています。

 <無謀な夢洲開発などに巨費>

 住之江区・南港のWTCビルやATCビルの経営破綻など、巨大開発失敗の規模がとりわけ大きいのが大阪市です。それにもかかわらず、 夢洲での45000人街づくりや地下鉄・北港テクノポート線建設などの無謀な開発、5K赤字への支援(2002年度までで859億円もの公金を投入)などは、事業を多少遅らせたり、市民からの批判がとりわけきびしい5Kへの貸付金(約120億円を予定)を当初予算には計上しないなど、一定の手直しをするものの、基本的には継続させます。

 夢洲の土地造成35億円、北港テクノポート線72億円など、いぜん、1000億円近い大型開発関連予算を組んでいます(別表)。

 

ムダと浪費大型開発予算  
   
 夢洲土地造成 353200万円  
 夢洲大水深コンテナ埠頭整備 17億円  
 夢洲咲洲海底トンネル 429500万円  
北港テクノポート 722400万円  
新人工島整備 1237200万円  
関西空港)への出資貸付 59400万円  
高速道路整備 412700万円  
USJへの貸付 30億円  
5K赤字への補助金 261100万円  
   
()5K=WTC、ATC、MDC、大ドーム、クリスタ長堀

<人権に名を変え同和温存>

 同和事業は、国の特別法の期限が切れ、前年度で同和行政を終結しなければならなかったのに、一民間病院にすぎない芦原病院(浪速区)の経営支援に9億2300万円を計上。旧同和浴場へも、健康福祉局予算の「市民会館および授産場等施設の運営・整備費など」という項目にもぐりこませて1億4000万円を助成します。

 <市の借金は過去最高に>

 臨海部などの大型開発を、起債をおこして推進してきたため、市債残高が年々ふくれあがり、過去最高(別表)になります。一般会計で2兆8337億円、全会計で5兆5621億円(いずれも2003年度末見込み)、市民一人あたり、214万円にもなります。

 

大阪市市債残高                
                 
  1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
一般会計 12884 14992 17131 19397 21411 23603 25354 26939 28337

全会計

34892 38053 41041 45133 47588 50598 52715 54311 55621
                 
単位タンイ億円オクエン                

 

<環境、就学援助、バリアフリーなど前進も>

市民の世論、運動と日本共産党の市議会での奮闘が実り、前進したものもあります。住吉区などで、大きな要求運動に発展していたプラスチックごみ分別収集は、四行政区から十一行政区に拡大されます。小中学生の就学援助も3億6千万円の増額です。小学校の米飯給食は週二回が三回に拡充されます。バリアフリーでは、地下鉄駅のエレベーターが10駅12基、エスカレーターが2駅4基で完成。ホームレスの「自立支援センター」は、カ所をふやし、定員280人を380人に拡充します。