大阪市が2004年度予算案を発表 ムダと浪費の大型開発を優先 国保料は値上げ、介護保険利用料減免などは見送り
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今、大阪市民のくらしや中小企業の経営は、「景気は着実に回復」などという小泉内閣の認識とは大きくかけはなれ、高い失業率と倒産、所得の落ち込みに歯止めがかからず、何より、小泉内閣が進めている税金と社会保障の両面にわたる国民負担増が重くのしかかっています。 こうした中で、260万市民のくらしに直接責任をおう大阪市は、市民福祉の増進につとめるという地方自治体本来の立場にしっかりと立つことが求められています。 ところが、関淳一市長が就任最初に示した予算案は、三セク三社の特定調停受け入れにともなう多額の公金支出や巨大開発をすすめる一方、市民には冷たいものとなっています。 <国保料を五年連続引き上げ> 一般会計は1兆7577億円(前年度比1・7%の減)、特別会計は2兆5743億円(前年度比2・0%の増)、総額4兆3320億円(前年度比0・4%の増)となっています。市税収入は、5978億円(前年度より33億円の増)、6000億円台を割りこむのは二年連続です。地方交付税は700億円を予定しています。 市民負担増では、国民健康保険料が2%アップ。5年連続の値上げとなります。年額88826円が90603円になります。介護保険料は8・4%の値上げで、年額18464円が20011円になり、幼稚園保育料なども引き上げられます(別表)。
<介護保険利用料減免、30人学級などは見送り> 市民からの請願・陳情がもっとも多く寄せられるのは、高齢者福祉、子育て支援、少人数学級などの問題です。 介護保険制度の拡充については、保険料を引き上げるばかりか、利用料の減免は拒否。保育施策では、公立保育所の民間委託を三カ所で予定。すでに、30道県、2政令市が踏み出している少人数学級の実現も見送っています。 また、障害者作業所、学童保育への補助金はすえおきます。 <三セク支援、夢洲開発に巨費、USJにも貸し付け> 昨年末の大阪市長選挙でも最大の争点になり、市民の批判が集中した三セク三社(ATC=アジア太平洋トレードセンター、WTC=ワールドトレードセンター、MDC=湊町開発センター)の経営破綻問題で、大阪市が与党(自民、民主、公明)の承認をえて受諾した特定調停は、新たな出資金・補助金・家賃・共益費など今後2800億円もの公金を支出するもので、2004年度から「再建」への支援がスタートします。 また、夢洲での45000人街づくりや地下鉄・北港テクノポート線建設などの無謀な開発計画、関空二期事業や高速道路建設などに巨額の予算を組んでいます。自治体がかかわるべきでないレジャー施設・USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)には30億円を貸し付けます(別表)。
<人権に名を変え同和事業を継続> 同和事業は、すでに2002年3月末に国の特別法の期限が切れており、生活環境などでの格差も解消され、特別対策の継続は問題解決の大きな障害になっています。ところが今回の予算でも、一民間病院にすぎない芦原病院(浪速区)の経営支援に8億6700万円を計上。旧同和浴場の整備に6億円を助成するのをはじめ、一般施策と名を変えただけで、同和事業を温存しています。 <市の借金は過去最高に> 臨海部などの大型開発を、起債をおこして推進してきたため、市債残高が年々ふくれあがり、過去最高(別表)になります。一般会計で2兆9600億円、全会計で5兆6067億円(いずれも2004年度末見込み)、市民一人あたり、214万円にもなります。
<児童手当の拡充、バリアフリーなど前進も> 市民の世論、運動と日本共産党の市議会での奮闘が実り、前進したものもあります。 特別養護老人ホームは9カ所新設(定員589人の増)され、老人保健施設は5カ所新設(定員505人の増)されます。児童手当は、小学校就学前までだったのが小学校第三学年修了まで支給されます。交通バリアフリーでは、地下鉄駅のエレベーターが6駅で完成し、ノンステップバスが56両増車されます。ホームレスの「自立支援センター」は、3カ所をふやし、定員280人を580人に拡充します。
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