大阪市の2005年度予算、 ムダと浪費の大型開発を優先、 職員「厚遇」のカット166億円、「敬老パス」は現行通り |
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失業・倒産など大阪の経済の落ち込みが全国最悪のもとで、小泉・自公政権による悪政の防波堤となり、市民生活を支援する市政が強く求められているにもかかわらず、多額の公金支出をともなう大型開発や破綻三セクへの支援を優先。市民には冷たい予算案となっています。 また、昨年来、市民の大きな怒りと批判をあびている職員「厚遇」問題の是正が注目されていましたが、予算への影響額は166億円としています。 <市の借金は過去最高に。市民一人当たりでは214万円> 一般会計は1兆7285億円(昨年比1・7%の減)、特別会計は2兆6789億円(昨年比4・1%の増)、総額4兆4074億円(昨年比1・7%の増)となっています。市税収入は6149億円(昨年比2・9%の増)、厳しい雇用情勢を反映し個人市民税などの減収が見込まれるものの、法人市民税は増収になるとしています。 国の地方交付税は620億円を予定(前年度は700億円)。国から地方への大幅な財政支出削減をねらう小泉内閣の「三位一体改革」による国庫補助負担金削減の大阪市への影響は45億円。前年度分とあわせ91億円となりますが、所得譲与税が同額の91億円配分されるとしています。 また、臨海部などの大型開発を起債により推進してきたため、市債残高が年々ふくれあがり、市財政を大きく圧迫。過去最高になります(別表)。一般会計で 2兆9331億円、全会計で5兆6193億円、市民一人当たり214万円にもなります。 <職員「厚遇」問題の是正をおりこむ> 2005年度予算への反映として、互助組合への市交付金をゼロにする(約48億円)、互助組合連合会の給付金事業の廃止(約25億円)、健康保険組合保険料の市負担を減らす(約30億円)、制服の貸与廃止(約5億円)、特殊勤務手当の廃止(約45億円)など、全体で約166億円をカットするとしています。 <敬老パスの継続など、市民要求の反映も> 昨年秋、「大阪市敬老パスを守る連絡会」が結成され、短期間で約10万の署名が集まるなど大きな市民世論となった“敬老パスの現行のままの継続”については、83億円の予算が計上され、2005年度に関しては制度が守られました。 また、市民の運動と日本共産党の議会での奮闘が実り、前進したものとして、特別養護老人ホームの新設7カ所(定員563人)、保育所の定員増(900人)、病後児保育の23カ所への拡充(6カ所増)。小中学校の整備(前年度より23億円増の123億円)、児童・生徒就学援助費の増(36億9000万円、前年度より3億円増)、地下鉄駅のエレベーター整備(10駅で12基)、身近な公園の整備(前年比3億7000万円増の70億円)、駅の放置自転車対策で啓発指導員を配置(現在9駅を15駅に拡充)などがあります。 なお、2000年度から5年連続引き上げられた国民健康保険料は、2005年度は据え置くとしています。 <生活保護見舞金を廃止、介護保険料、市大学費の値上げ> 市民生活の悪化のもとで生活保護制度の拡充が求められているにもかかわらず、夏冬の見舞金(3900円、4200円)を廃止するとしています。昨年11月から大阪府に横並びして老人医療費助成制度など福祉医療助成制度を改悪したことに対し、これを元にもどせという要求は拒否。介護保険料(第二号被保険者)は、3343円値上げし(16・7%増)、2万3354円にします。小児ぜん息等医療費助成では、一部負担金(1回500円、月2回を限度)を導入(6月から)します。障害者作業所、学童保育への補助金はすえおきます。公立保育所の民間委託は新たに4カ所を予定しています。 また、市大の学費や市立高校(定時制)の授業料などを値上げします(別表)。 <夢洲開発や関空に巨費、大企業の誘致には30億円> 人工島・夢洲の4万5000人街づくりにむけて、地下鉄・北港テクノポート線建設などの無謀な計画や関西空港二期事業、高速道路建設(淀川左岸線)などに巨額の予算を組んでいます(別表)。また、新たな企業誘致策として、投資固定資本300億円以上の企業へ建設費を助成(上限30億円)します。 経営破綻した三セク三社(ATC、WTC、MDC)への市関係家賃などで、65億円を支援します。 また、巨額の収支不足が明らかになっている阿倍野再開発事業について、赤字補填に48億円を予定しています。 <「人権」に名を変えて同和事業を温存> 同和事業は、すでに2002年3月末に国の特別法の期限が切れており、生活環境などでの格差は解消され、むしろ逆差別が深刻になっています。「解同」の利権にもつながる同和事業の継続は許されません。ところが今回の予算でも、一民間病院にすぎない芦原病院(浪速区)の経営支援に8億円を計上するなど、「人権」施策に名を変えて温存しています。
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大型開発にかかわる予算 (単位億円) 北港テクノポート線建設 65 夢洲トンネル建設 37 夢洲の整備(土地造成、バースなど) 16 新人工島の整備 96 関西空港全体構想推進への支出 25 高速道路・淀川左岸線建設 46 三セク三社への支援 65 阿倍野再開発事業の赤字補填 48
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公共料金の値上げ 介護保険料(第2号被保険者)年額 20,011円 →23,354円 市立大学授業料 第1部・大学院 年額 520,800円 →535,800円 第2部 年額 260,400円 →267,900円 看護短期大学部 年額 379,200円 →390,000円 高等学校授業料 定時制 年額 30,000円 → 31,200円 栄養専門学校授業料 年額 520,800円 →535,800円 デザイン教育研究所授業料 年額 228,000円 →234,600円 看護専門学校 授業料 年額 111,000円 →166,800円 入学料 45,000円 → 70,000円 検定料 7,100円 → 9、600円 助産師学院 授業料 年額 132,000円 →166,800円 入学料 55,000円 → 70,000円 検定料 7,100円 → 9,600円
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