2007年度 |
2007年度の
<「敬老パス」は2007年度も無料で継続> 関淳一市長の「マニフェスト」(市政改革基本方針)にもとづく最初の予算編成がおこなわれた2006年度は、マニフェストにかかげられた10項目の市民サービスカットの内「生活保護世帯の市営交通と上下水道料金の減免廃止」「新婚世帯向け家賃補助の切り下げ」「粗大ゴミ収集の有料化」「斎場使用料の値上げ」が強行されました。2007年度予算案では、「重度障害者給付金」(身体障害者1級と重度知的障害者は年額1万円、身体障害者2級は年額8千円)の廃止が盛り込まれましたが、地下鉄・市バスの「敬老パス」有料化は引き続き見送られました。 敬老パス問題は、その有料化の動きを日本共産党市議団が市民に知らせ、13万以上の署名に見られるように「無料で継続」を求める声と運動が大きく盛り上がり、2005年、6年と有料化を阻止。その後も共産党議員団は、高齢者の生きがいを支えるこの制度を守るために全力をあげ、2007年度予算案には06年予算とほぼ同額の87億円が計上されました。 なお、パスは今年の9月からICカード(5年間有効)になりますが、カードの作成費用(3100円)の負担も高齢者本人には求めない方向です。 また、自治体の公的役割を放棄するマニフェストの具体化として、公立保育所の民間委託は5箇所増やし、計16箇所にします。
<地下鉄駅可動柵は7号線で実現の見込み>
また、増設が強く要望されている特別養護老人ホームは3箇所の新設(定員266人)が予定されています。 視覚障害者をはじめ、多くの市民がくりかえし求めてきた地下鉄駅の可動式ホーム柵の設置は、長堀鶴見緑地線の全駅での設置へ8500万円の予算がつきました。2010年度末に工事を完了させるとしています。
<市民にいっそうの負担を強いる国保料の値上げ> 被保険者が100万人を超える大阪市の国民健康保険。昨年、住民税非課税世帯にも総所得が33万円を超えると新たに「所得割」をかけるなど、保険料の算定方式を改悪したため、低所得層を中心にいっせいに負担が増え、6月には12万人を超える市民から怒りと苦情の声が区役所に殺到しました。大阪市は市民の負担軽減をはかるどころか、2007年度は保険料を4.5%アップ、一人平均9万603円から9万4648円に引き上げます。最高限度額も53万円を56万円にします。
この改悪案が諮問された2月5日の
< 咲洲と夢洲をつなぐ海底トンネルの建設35億円、だれも住んでいない人工島(夢洲)への地下鉄・北港テクノポート線建設に23億円、夢洲のさらに先の大阪湾を埋めたてる新人工島の整備に120億円、「スーパー中枢港湾」がらみで夢洲の大水深埠頭の建設に39億円、必要のない高速道路・淀川左岸線2期事業に27億円。むだと浪費の大型開発には税金投入を惜しみません。 また、大企業をよびこむ「都市再生重点産業立地促進助成」の「大型特例」(助成額の上限30億円)は、投下資本額を300億円から100億円に引き下げ、企業の進出を容易にします。
大企業に奉仕する開発には湯水のように税金を投入する一方、市民サービスは冷たくカット。「
<同和事業は一定の見直しだけ>
この間、芦原病院問題と飛鳥会事件に象徴される しかし、部落解放同盟と一体の人権協会への事業委託は抜本的に見直さず、旧同和校への教員の加配にも手をつけないなど、同和行政の完全終結を求める市民世論に背を向けています。
<市の借金は市民一人当たり200万円超> 歳出は、一般会計が1兆6262億円で前年比269億円のマイナス。特別会計を含めた総額では4兆424億円で、同じく821億円のマイナスです。市税収入は、個人市民税が1366億円で244億円、法人市民税が1697億円で332億円、それぞれ前年より増加です。 大型開発を起債により推進してきたため、市債残高は、全会計で、前年度より654億円減少したものの、5兆4019億円(2007年度末見込み)と市民一人当たり206万円。依然として高額です。
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