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大阪市会5月議会(5月22日開会、28日閉会)を終えて

日本共産党大阪市会議員団団長 下田敏人

大阪市会5月議会は、新年度のはじまりとして、主に、役員改選等を行うもので、日本共産党は、開会に先だち、本会議・委員会のインターネット中継の拡充や常任委員会の直接傍聴、請願・陳情の趣旨説明の実施、議長・副議長などの議会役員の民主的な選出等、議会運営の改善の申入れを各会派に行い、閉会後も同趣旨の申入れを新議長に行いました。

大阪府後期高齢者医療広域連合議会議員には昨年に引き続き、北山良三政調副会長が選出されました。20名の議会議員中、前期は共産党は2名でしたが、今期は党は1名のみとなりました。全府下の期待に応えるべく、議員団としても可能な限りのフォローアップをすることにしました。

国民健康保険事業会計の補正予算案に対して、日本共産党は、滞納率が高いことなどを理由にした国の不当な普通調整交付金のペナルティ減額(この5年間で116億円)等を財源として、国保料1人1万円を減額する修正案を提出し、民生保健委員会、本会議等で趣旨説明を行うなど、成立を期して奮闘しましたが、自公民の反対で不成立となりました。

また、地方税法の「改悪」を受けて、65歳以上の高齢者の住民税を年金から天引きする市税条例の改定案が提出されました。日本共産党は反対しましたが、自公民の賛成多数により可決成立しました。これにより、2009年10月の年金支給から、所得税、介護保険料に続き、住民税まで天引きされることになりました。

本議会を通じて、公契約において、受託企業の労働者が人間らしく働くことのできる労働条件を確保する問題が改めて浮上しました。地下鉄駅の清掃業務7件の一般競争入札で、予定価格の28.3%〜36.9%という低落札率になったことによるもので、これにより清掃労働者は、最低賃金ギリギリの低賃金しか得られなくなっています。

不適正資金(裏金)問題の発覚以来、日本共産党は、特に、同和がらみのものが目につくことを指摘すると同時に、財政総務委員会、文教経済委員会、民生保健委員会等での質疑を通じて、全容解明と責任の所在の明確化等を求めてきました。

この問題では、6月5日、調査検討委員会の最終報告があり、10局19区役所、総額7億円余りにのぼることが明らかにされました。同時に、返還を求めるべき総額を3億円と認定し、この内、1億3千万円余りを、10局19区役所の退職者や異動者も含めた職員から、残り1億6千万円余りは、課長代理級以上の全管理職から、それぞれ返還させることになりました。また、市長等の特別職や不適正資金捻出の実行行為者とその管理監督責任者等に対して、減給等の処分が行われることになりました。

大阪府の財政再建PT案の見直しを求めるよう、財政総務委員会、文教経済委員会を中心に、平松市長に迫るとともに、府見直しを求める意見書の提案発議を行い、5月22日の開会本会議での全会一致採択にこぎつけました。こういう中で平松市長は、6月12日、大阪維新プログラム(案)に対する知事宛の要望書を提出しました。

オスカードリーム(住之江土地信託事業)の信託銀行との訴訟問題やワールドトレードセンターの損失補償問題等課題が山積みしていますが、日本共産党は、これ以上市民負担が増すことのないように力を尽くすと同時に、中学校給食や子育て支援など、市民要求の前進、学校など公共施設や水道配水管などライフラインの耐震化の推進など、市民本位の市政実現に向け、引き続き奮闘します。

(大阪民主新報:2008年6月22日付掲載)