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大阪市2009年度予算案を発表

 

 大阪市は2月19日、2009年度の予算案を発表しました。27日から始まる「2・3月予算市会」で審議されます。

 民主党の推薦で当選した平松邦夫市長の2回目の予算です。平松氏の公約は、市民の目線で関前市長のマニフェストを見直すというものでした。ところが、昨年9月に発表された「経費削減」案は、27項目、98億円の市民サービスを2009、2010年の2年間でカットするなど、関マニフェストを全面的に踏襲するものでした。予算案の発表を前に、「経費削減」案の修正が出されましたが、敬老パスの有料化と高齢者の上下水道料金減免廃止を若干見直しただけで、ほとんどそのまま予算に反映されています。

敬老パスについては、所得に応じて最高1万5000円までの負担金を取るとしていたのを、一律、年額3000円の負担を求めるとしました。また、利用の上限を月5000円としていたのを年額8万円に修正しました。いずれも、実施は2010年度からで、2009年度予算には、「システムの改修」に4億2500万円を計上しています。

高齢者の上下水道料金減免は、「65歳以上の高齢者のうち、要介護度4または5に該当する者が属する世帯」に限定するとしていたのを、経過措置として、2010年度からの3年間は「65歳以上の在宅高齢者のうち、介護保険料が第1段階及び第2段階に属する者が含まれる世帯」も減免対象に加えるとしています。

 また、難病患者への見舞金(1人1万円)廃止、学校維持運営費の10%カット、「児童いきいき放課後事業」負担金の徴収(年500円)、納骨堂は個人壇の使用料年額1000円を5000円(2009年は2000円)に、家族壇の使用料年額5000円を2万5000円(2009年は1万円)に値上げ、栄養専門学校の入学料新設(市内13万3200円、市外20万5100円)などを予定しています。

 一方、介護保険会計は大幅黒字で68億円が基金にため込まれ、保険料を値下げできるにもかかわらず据え置くとしています。

平松市長の目玉公約だった中学校給食は、弁当を持参しない生徒に「昼食を提供する」として、民間業者による提供を全校で実施(本人負担は270円)するとしています。

なお、2年連続で値上げされていた国保料は据え置かれます。 

 日本共産党の議会での質疑と市民運動の成果もあります。

年間数十件ものホームからの転落事故が起き、視覚障害者をはじめ、多くの市民から安全対策が強くのぞまれていた地下鉄御堂筋線に可動式ホーム柵を設置する調査・研究のための予算が計上されました。なお、可動式ホーム柵は、長堀鶴見緑地線には2014年度中に、千日前線には2018年中に設置が完了する計画です。 

 妊婦健診の公費負担は、7回から14回に拡充されます。

 一方、大型開発の優先は相変わらずです。

 大型コンテナ船が増えるあてもないのに建設を強行する夢洲の「スーパー中枢港湾」づくりに51億6000万円、必要がなく環境破壊にもつながる高速道路・淀川左岸線に17億9000万円、新人工島の整備に16億4000万円、夢洲の土地造成に10億円をつぎこみます。

同和事業の見直しもわずかです。

人権博物館(リバティおおさか)の運営補助金の見直しや人権文化センター・もと青少年会館・もと老人福祉センターの廃止・統合など、同和事業を一定見直しするとしていますが、見直しの金額は90億円近い同和事業の内、4億7000万円にすぎません。

歳出は、一般会計が1兆6278億円で前年比353億円のプラス、特別会計を含めた総額では3兆8399億円で前年比161億円のマイナスです。市税収入は、個人市民税が1368億円で前年比15億円のマイナス、法人市民税が1238億円で前年比457億円のマイナス。固定資産税・都市計画税は3295億円で18億円の増となっています。

市債残高は、2009年度末見込みで、一般会計が2兆8288億円、全会計が5兆2539億円(市民一人あたり199万円)です。