title


「思想調査」反省なし

大阪市 野村顧問が最終報告

 橋下徹大阪市長が市特別顧問に任命した野村修也弁護士は2日、「大阪市政における違法行為等に関する調査報告」の最終報告を発表しました。

 「労使の癒着」「官民の癒着」の実態として記した内容は、A4判66ページ、資料はA4判260ページ以上もありますが、思想・良心の自由を侵害する憲法違反の「思想調査」(職員アンケート)についての反省や謝罪は1行もありません。

 橋下市長が業務命令で調査への協力を求めたにもかかわらず、「調査方法・内容については市長からいっさい介入は行われていない」と同市長を擁護。調査が実施されていなくても、交通局など当局の協力による独自調査で組合の人事介入が解明されたとしており、調査の必要性・妥当性そのものが疑われます。

 「大阪維新の会」の市議が「労使癒着」を裏付けるものとしてとりあげた市長選挙用紹介カード・リストが、告発した嘱託職員のねつ造だった問題で、野村氏は「職員は組合への義憤と維新の会を応援する思いから、糾弾者として自分に高揚感を覚えるようになり、成果を出そうとねつ造を思いついたようだ」と推測。

 リストについては組合の「紹介カード」回収作業からみて存在には疑問があり、信ぴょう性がないと思っていたとし、「市議も半信半疑であったようだが、リストはおかしいと見抜けなかっただろう」と弁護しました。

 市長選で平松邦夫前市長を応援する活動をしたとして事実上更迭状態の6人の元市幹部については、「明らかに法令に違反するというものはなかった。見せしめ的な扱いは望ましくないと市長に申し上げた」とのべました。

(2012年4月4日付しんぶん赤旗)