大阪・橋下市長「パブコメ読んでいない」 市民の声踏みつける |
ところが、市民へ意見を募っておきながら、3万近く意見が寄せられると、まったく読まなかったと公言する首長がいます。 「市政改革プラン素案」について、橋下市長は「非常に重要ですので、どんどんご意見をいただきたい」(5月11日の会見)と言っていました。 5月11日〜29日までの19日間という短期間の実施でしたが、過去最多の2万8千件の意見が寄せられ、うち94%が反対の声でした。「素案」は、敬老パスの有料化をはじめ、全世代にわたって市民施策に大ナタをふるうものでした。しかもそれらは、昨秋のダブル選挙で橋下市長の公約にはありません。 6月22日の市議会計画消防委員協議会では「パブコメ(公募した市民の意見)は読んでいない。(報告は)詳細には聞いていない」とあっけらかんと答弁。現在も「担当者から聞いている」というだけで、直接、読んでいるとはいいません。 橋下市長率いる「維新の会」が大阪市内で開いた「維新政治塾」(6月23日)ではいいたい放題。[(パブコメは)文句を言いたい人だけが言ってくる仕組み。賛成する人はわざわざ出してこない。市民も暇じゃない」と市民の切実な願いに背を向けるだけでなく、提出した市民を暇人よばわりしました。「それが市民の声と言ったら、政治は機能しなくなる」とまであざけりました。 市民の意見を聞かない姿勢は、関西電力大飯原発の再稼働に「反対」の声が空前の規模で広がっていることにも向けられています。 「有権者は6千万とか、8千万とかですから」といって、「千や2千や1万や10万の反対の声があったとしても、やらなきゃいけないところはやらなきゃいけない、それが政治」と言い放ちました(2日の会見)。 橋下氏はこれまでも市民からわき上がった原発反対運動に対し、「無責任な市民運動」と敵視しています。 折しも、1日投票の大阪府羽曳野市長選では、「維新」推薦候補が敗北しました。「維新」が推薦した市長候補では初です。得票数は昨年11月の知事選で当選した「維新」の松井一郎知事の得票から半減しました。 パプコメにしろ、再稼働容認にしろ、無責任なのはどちらか。橋下「維新」の正体を市民はしっかり見ています。 (代) (2012年7月10日付しんぶん赤旗) |