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「大阪都」協定書を決定

府市法定協議会 維新が単独で


 橋下徹大阪市長ら「維新の会」が他会派を締め出し、同党だけでの議論を進めていた大阪府市の法定協議会は23日、府庁で会合を開き、大阪市を廃止する「大阪都」構想の制度設計を定めた協定書を決定しました。

 日本共産党大阪府委員会の山口勝利委員長は同日、協定書を白紙に戻し法定協議会を正常化するよう求める談話を発表しました。

 協定書は、人口268万人の同市を廃止し、34万〜69万人の五つの特別区に分割、市が持つ重要な権限と財源を新たな府に吸収する内容です。今後、新藤義孝総務相の意見を加味した上で9月の府市両議会に議案として提案される見通しです。

 この間、橋下氏らは、府市両議会で過半数を握る野党が法定協の正常化のために求めた臨時議会の招集を拒否。新藤総務相も「明らかな法律違反」(15日)と批判しており、野党からは「協定書も無効だ」との声が上がっています。

 法律上、「都」構想の実現には、最終的な住民投票の前に、府市両議会での協定書議案の承認が必要となりますが、承認の見通しはありません。

 法定協終了後、橋下氏は「相手方(野党)が建設的な修正を出してきた場合にはそれに応じる」と述べ、12月31日までという期限を設定。「無効だとか都構想に意味がないとかそんな議論に終始するなら権限はフル活用する」と、首長だけで決める「専決処分」に含みを残しました。

 法定協議会 大都市地域特別区設置法に基づき、昨年2月以降、「大阪都」構想の制度設計を議論してきた大阪府市特別区設置協議会のことです。法律上、協定書の作成だけでなく、「都」構想の是非を協議することも認められています。

(2014年7月25日付しんぶん赤旗)