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校内人事

選挙の実施を禁止

大阪市教委 規則を一部「改正」


 大阪市教育委員会は市立学校管理規則を一部「改正」し、校長が校内人事を行うさい、校内選挙を実施することや人事委員会を設けることなどを禁止しました。8日に公布・施行されました。

 7月29日に決めたもの。同日公表された市教委による校長への聞き取り調査結果では、校内選挙を実施している61校すべての校長が、校内選挙によって校長権限が“妨げられている認識はない”と答えています。このことは、「調和のとれた学校運営」のために校内選挙などが役に立っていることを示しています。

 校内人事をめぐっては、橋下徹市長が「教育現場の感覚は狂っている」などと学校や教職員を攻撃、市教育委員との意見交換会(4月22日)で、「(校内)選挙は認めない」と発言して教育に介入する姿勢を示していました。

 大阪府教育委員会は4月、学校組織運営に関する指針を「改訂」し、校内人事で「選挙またはこれに類する方法は取らない」などとしました。

 府立高等学校教職員組合は、「校内人事にかかわる学校の自主性を守れ」(4月22日)と題する見解を発表し、「府立高校では、校務分掌の決定権が校長にあることを前提に、校内人事の公平性、透明性を担保するために『選挙』を行っているのが実態であり、何ら法に違反しない」と述べています。


教育への不当な介入

解説 教育の自由と自主性を保障する憲法のもと制定された学校教育法は、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する」(第37条)と定めており、教務や学年主任、生徒指導や進路指導主事、学科主任などの校務分掌(校内人事)は、校長の責任と権限のもと自主的に行われています。

 校内に人事委員会を設置することや、教職員の意向を投票で反映することなど、校務分掌を決定する過程を民主的に行うことも、学校の自主性、校長の権限に属することです。

 教務や学年主任などを選ぶことは教育内容に深くかかわることで、教職員が校務分掌にさいして校長に自らの意見を述べ、意思表示することは、教育の条理や学校運営のあり方からみて当然のことです。

 学校が自主的に行う校内人事に関わって、市長や教育委員会が校内選挙や人事委員会を禁止することは、憲法が保障する学校の自治、自主性を侵害する、教育への不当な介入であり許されません。「調和のとれた学校運営が行われるために」(学校教育法施行規則第43条)、学校による自主的な校内人事を尊重することが大切です。

 (日本共産党大阪府委員会文教委員会責任者小林裕和)

(2014年8月13日付しんぶん赤旗)