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主張

「大阪都・住民投票」

中身もやり方もとんでもない


 大阪市を廃止し大阪府に従属する五つの特別区に分割する「大阪都」構想をめぐり、前代未聞の事態がすすんでいます。府・市両議会が昨秋否決した「協定書」が、ほぼ無修正でよみがえり、2月両議会で承認されれば、5月17日に大阪市214万人有権者による「住民投票」が実施されます。

不透明な態度急変

 知事、市長と両議会でつくる「大阪府・市特別区設置協議会」で13日、公明党が態度を急転換し、賛成したためです。公明党は、「協定書」の中身に反対は変わらないが、「住民投票」を実施するために賛成したといいます。マスメディアは「急転直下の事態に至った経緯の不透明さは見過ごせない」(「産経」)、「筋が通らぬ承認手続き」(「毎日」)と批判します。

 公明党の態度急変は、官邸から創価学会に働きかけがあり、昨年末に創価学会本部に公明党大阪府本部の幹部が呼ばれ、通知されたといわれます。橋下徹大阪市長らの総選挙出馬中止との関連など真相はヤブの中ですが、議会や市民に隠れ、「官邸頼み」の「ヤミ取引」で、公党の態度を百八十度変えさせるなど、とんでもないことです。

 橋下氏と「維新の会」は、一昨年来、堺市長選での敗北、「地下鉄民営化」案の否決、中央労働委員会による市職員「思想調査」の断罪、公募区長・校長の失態、そして「協定書」の両議会での否決など、府民・市民から追い詰められていました。公明党の態度急変は、橋下氏を窮地から救うものです。「協定書の中身に反対」なら2月両議会できっぱり否決すべきです。

 安倍晋三首相は「住民投票で賛成多数となれば必要な手続きは粛々と行っていきたい」と語るとともに、改憲についても「与党だけではできない。維新の党に賛成していただければいい」と橋下市長にエールをおくります(14日関西テレビ)。橋下氏を救う官邸の狙いがどこにあるかは明瞭です。

 よみがえった「協定書」は、昨年、「維新の会」が野党委員を排除して作成したものです。大阪市を解体し、その権限・財源を「一人のリーダー」にゆだねる構想です。

 大阪市議会がストップをかけている市民サービス削減策や否決した「地下鉄民営化」がすべて盛り込まれ、その財源を「なにわ筋線」や「淀川左岸線延伸」、カジノ、リニアなどの巨大事業に注ぎ込む、くらし壊しの設計図です。

 「特別区」は「住民に身近なサービスを提供」するどころか、庁舎建設をはじめ、新たにばく大なコストがのしかかります。国民健康保険や介護保険、ごみ、水道など100事業は「一部事務組合」で担うなど矛盾だらけです。

広大な共同でストップを

 橋下氏らは、各党や市民からの批判に反論できず、「協定書」を基本的に修正しないまま、ゴリ押しせざるをえなかったのです。今回のやり方も、中身も、新たな矛盾を呼びおこしています。

 日本共産党大阪府委員会は声明「『大阪都』ストップへ 大阪の日本共産党と民主勢力の総力を」を発表し、「一点共闘」の輪を大きく広げることを呼びかけています。

 「大阪市つぶし、くらしつぶしの大阪都、やめてんか」。この声を大きく広げ、いっせい地方選での共産党躍進、「住民投票」での「大阪都」構想打破を実現し、「維新政治」に終止符を打つときです。

(2015年1月23日付しんぶん赤旗)