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「都」構想論争 橋下氏に学者反発

“討論の名で攻撃”“卑劣な言論封殺”


 維新の党の橋下徹大阪市長が「大阪都」構想に対する「情報提供」を開始した内閣官房参与の藤井聡京都大学大学院教授の言論を異常な方法で攻撃し、藤井氏が「言論封殺だ」と反発しています。

一部論点あげ

 1月下旬、藤井氏はネット上で「都」構想をめぐる「7つの事実」の解説文を公表。「都」構想が大阪市の解体と五つの特別区への分割にすぎず、大阪市で5月に狙われている住民投票で協定書が認められても大阪府は府のままで「大阪都」が実現しないことなどを指摘しました。橋下氏は一部の論点をあげ「デマ」と主張。大阪維新の会を通じて公開討論を申し入れました。

 藤井氏が続編を公表し話題を呼ぶ中、橋下氏は5日の会見で藤井氏が過去の出演動画で橋下氏について「ヘドロチック」「私利私欲」などと語ったことを問題視。藤井氏を「こチンピラ」とけなし「国立大学の運営交付金というのは税金が入っている」「あの発言はどうなんだ」と京大の総長に見解を問い、対応次第では国会質疑を行うよう党に指示したと明らかにしました。

“脅迫の手口”

 藤井氏は6日、「ヘドロチック」な資質とは橋下氏がかつて自ら著書で「政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰」と表現した「私利私欲」の風刺表現だと解説。「公権力者が2年以上昔の風刺をその学者が都構想についての自由な議論を始めた矢先に大学や国会を活用しつつ突然抗議し始めるのは卑劣な言論封殺」と主張しました。7日には声明を発表し、橋下氏からの討論の申し入れも「公開討論という名の『ケンカ』を売られたり、ツイッターや記者会見でからまれるのが嫌なら都構想について発言するなと脅す卑劣な脅迫の手口だ」とはねつけました。

(2015年2月10日付しんぶん赤旗)