「大阪都」構想での住民説明会 不公正な運営改めよ 市議会野党4会派が市長に |
申し入れでは、今回の説明会の広報予算の市議会可決のさいにも、市長は「あくまで、『協定書の内容について分かりやすい説明』に徹し、市長としての立場を踏まえ公正・中立に」との付帯決議が付されていることにもふれながら現状は著しく公正性・中立性を逸脱するものになっていると批判しています。 具体的には(1)事前に議会側との相談もなく冒頭に市長の思いが記載された不適切なパンフを使用していること(2)市長の説明が賛成に誘導する内容となっていること―などを問題としてあげています。 4会派幹事長の会見で、日本共産党の山中智子市議団幹事長は「橋下市長の『僕の説明会だ』という発言に、いかに自分の考えを市民に植え付けていくかに徹しているという状況が表れている」と指摘。行政による客観的な説明の場となるよう、出席を辞退した野党側の対応についても、市長自身がねじ曲げて攻撃し自分の演説会にしてしまっている点にふれ、「冷静な理解を求めて参加した市民も対立に巻き込まれ、街が二分される雰囲気を助長している」と批判しました。 (2015年4月18日付しんぶん赤旗) 平成27年4月17日 大阪市長 橋下 徹 様 公明党大阪市会議員団 幹事長 明 石 直 樹 自由民主党大阪市会議員団 幹事長 柳 本 顕 OSAKAみらい大阪市会議員団 幹事長 福 田 賢 治 日本共産党大阪市会議員団 幹事長 山 中 智 子
4月14日から特別区設置協定書(以下「協定書」という)に係る住民説明会が開催されております。 説明会においては、「特別区設置協定書について(説明パンフレット)」(以下「パンフレット」という。)を用いて説明を行っておられるが、当該パンフレット並びに市長及び事務局の説明は市民に特別区設置のメリットのみを強く印象づけるもので、住民投票で「賛成」を投じてもらうための説明会と言わざるを得ない。大都市地域における特別区の設置に関する法律(以下「大都市法」という。)第7条第2項の規定によって市長に義務づけられた特別区設置協定書の内容についての分かりやすい説明の趣旨を逸脱するものであり、直ちに是正されるよう要望する。 また、住民説明会の広報予算の可決の際に『市長が住民説明会において発言される際には、あくまで、「協定書の内容について分かりやすい説明」に徹し、市長としての立場を踏まえ公正・中立に行うこと』との附帯決議が付されているにも関わらず、現状は著しく公正性・中立性を逸脱するものであり、議会の決議を踏みにじるものである。 今回の住民投票が住民生活に多大な影響を与えることに鑑み、直ちに公平・公正な住民説明会に改められるよう強く要望する。 なお、以下に具体的な問題点を指摘する。
1.不適切なパンフレット(特に市長の提案理由)を使用していること ・財政総務委員会の質疑において、市長は公平・中立な広報に努めるとともに、議会とも意思疎通を図ると答弁したにもかかわらず、事前の相談もなく一方的にパンフレットに提案理由として称して協定書の説明とは何ら関係のない市長の大阪都構想に対する主張・想いが記載されました。また、この点以外にも、パンフレットの問題点について様々指摘し、改善の要望を行いましたが、聞き入れず強引に作成し、賛成に誘導するような構成・表現となっており、パンフレット自体が不適切であります。なお、弁護士への事前の確認においても、当該パンフレットについては公平さに欠く旨の指摘を受けているとのことであります。
2.市長の説明が公平・中立性を欠き、賛成に誘導する内容となっていること ・提案理由とその背景について客観的な事実に基づいて説明するとしているが、次に指摘するとおり、資料を恣意的に用いて自らの主張を展開し、「二重行政の解消」と「住民自治の充実」には大阪都構想が最善の手段であるかのような印象を強く植えつけるものであり、およそ大都市法が義務付ける「分かりやすい説明」になっているとは言えない。 (指摘事項) ・「府市統合の取組み(AB項目)など」、「大阪市と大阪府の地域整備状況」といったパネルを使用しているが、図書館や体育館などの施設が二重にあることのメリットや地域整備事業の成功事例を一切掲載せず、極めて恣意的な例示を行い、二重行政や過去の事業の失敗をことさら強調している。 ・ことさら大阪市と東京の事例を比較したパネルを用い、財源等の根拠を示すことなく特別区を設置さえすれば東京と同じになるかのような印象を強く与えている。 ・不確かな事項や未確定な事項については一切説明しようとせず、メリットのみを強調し正確さを欠くものである。例えば、長期財政推計については、一定の前提条件のもとでの粗い試算で相当の幅をもって見る必要があるにもかかわらず、市長の説明は特別区の確実な財源のごとく強調している。また、新たな特別区庁舎については、協定書に書かれた主たる事務所が将来的にも特別区本庁舎になるかのよう印象を与えている、正確には、新たな本庁舎を建設する必要がある特別区においては、本庁舎はどこになるかは分からないのが事実にもかかわらず説明されない。 ・また、大阪都構想に疑問や異論を唱える市会の野党会派や地域振興会などについて、反対する理由を説明することなく、自らの権益・利益だけに固執せんがために改革に意を唱える現状維持の守旧派であるかのごとき主張を協定書の説明会において繰り返し発言しており極めて不適切である。 ・野党会派としては、住民説明会は行政が客観的に協定書を説明する場であり、政治的討論を行う場でないため出席しない判断を行ったものであるが、こうした議論経過を説明することなく出席を呼びかけたのに拒否されたと虚偽の説明を行ったり、地域振興会に対する批判を行うなど、協定書の内容の説明とは全く関係のない政治的な発言を繰り返しており、説明会が市長の演説会と化している。また、説明会場によっては、質問に答える形であるが、住民投票で特別区設置が決定された場合には次の市長選において再出馬するといった政治発言を行っている。まさに、住民投票を人気投票に置き換えるものである。 |