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廃止あかん 大阪市

エンジン一つになって弱まる

立命館大学教授 村上弘さん

 

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 新たにできる五つの特別区はどれくらい強いのか。今の大阪市より弱いのは確実です。今の大阪市は政令指定都市ですから、市長は首相や大臣に直接会うことができます。だけど、特別区になればそれはできないんですね。

 それから都市計画ができない。産業振興もできない。これは全部府の仕事になります。東大阪市なんかは自分のまちをつくることができますが、特別区は何もできないんですね。

 要するに、大阪のエンジンは二つから一つになるということです。大阪はもう衰退すると思いますね。「都」構想で大阪が発展するとはとても思えない。大阪はエンジンが一つになって、弱まるのは確実ですね。

 「大阪都」のようなシステムはほかにどこがあるか。東京です。もともとは東京市があったんですが、太平洋戦争時、じゃまになるということで廃止されました。あの戦争がなければ今でも東京市が残ってるはずですよね。

 最後に訴えたいのは、一番大事な“大阪市の廃止”ということが住民投票の投票用紙に書かれていない。この投票用紙を見ると大阪市が残ったままで特別区をつくるようにみえます。だけど大阪市は明らかになくなります。

 大阪市の廃止ということを書いていないこんな投票用紙で住民投票をやっていいのか。よく選挙で経歴詐称っていうのがあるじゃないですか。それの百倍ひどい話だと思いますね。(10日、大阪市で)

(2015年5月17日付しんぶん赤旗)