大阪市の2008年オリンピック立候補都市決定について

     日本共産党瀬戸市議にきく

   (しんぶん赤旗 2000年8月30日)

 今世紀最後のオリンピック競技大会が、あと2週間後に迫っているもとで、2008年オリンピックの正式立候補都市が、28日選定されました。このことについて、瀬戸一正大阪市議・オリンピック招致特別委員会委員に聞きました。

− 立候補都市に選ばれたということはどういうことですか

 瀬戸議員 2008年の大会には、これまで大阪や北京、パリなど10都市が名乗りを上げていました。それが、国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で五都市にしぼりこまれ、その中に大阪市も含まれたわけです。今後、IOC委員による視察などがおこなわれ、来年7月に予定されているモスクワ総会で、開催都市が正式に決定されることになります。今回のように、立候補都市が事前にしぼられるのは初めてのことで、招致をめぐる買収疑惑や過剰な商業主義など、最近のオリンピック大会をめぐる問題が表面化するなかでおこなわれたIOCの「改革」の一環です。

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 これから開催都市が決まる2001年7月まで、どんなことが大事ですか

 瀬戸議員 大阪オリンピック招致委員会は、今年度12億8600万円の予算を組み、来年7月までに27億円活動費が必要と見積もっています。過大な招致費用はきびしくチェックし、市民にはすべて情報公開させることが必要です。市民こそ主人公の立場を貫き、市民合意が重要です。

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市財政が破たんしかねない  無謀な開催は断念すべきです

−大阪オリンピック招致について、日本共産党はどういう見解をとっているのですか

 瀬戸議員 日本共産党大阪市会議員団は、オリンピックという人類がつくりだした平和とスポーツの祭典を支持し、連帯してきましたが、@財界主導で巨大開発促進のテコとするようなやり方はオリンピックの本来の意義や招致の意義をゆがめるものである。A大阪湾の人工島でのオリンピック開催計画が、新たな鉄道アクセスやトンネル道路建設、選手村としてその一部を利用する15,000戸もの過大な住宅建設など、今後7,000億円を上回る巨大開発の計画になっており、大阪市の財政が破綻しかねない無謀なものになっている、との立場から、昨年7月、2008年オリンピック大会の招致活動について、「断念するべきだ」との見解を出しました。
 不況の長期化のもと、市民のくらしは深刻の度を加え、招致決議をした94年当時とは様相が一変しており、市民のくらしを支援することこそ重要です。