不要不急の予算を削減して、

 緊急切実な市民の願いに応える予算に 

    99年12月15日 敏人議員が99年度補正予算等の反対討論

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただ今上程されました99年度大阪市一般会計等補正予算案に反対の討論を行いたいと思います。
 申し上げるまでもなく、今、日本の経済は、雇用不安の拡大や個人消費の低迷など、尚、たいへん厳しい状況にあります。
 とりわけ、大阪の経済は、あらゆる指標でみても、一層深刻な事態にあると思います。こういう中で、編成される補正予算とはいったいどうあるべきなのか、おのずと明らかだと思います。
 不公正乱脈な同和事業や巨大開発などの不要不急の当初予算を削減して、緊急切実な市民の願いに応える予算を盛り込むことによって、家計をあたためることに資すると同時に、道路補修やきめ細かな浸水対策など生活関連公共事業を追加して、直接中小企業に発注するなど、厳しい状況におかれている中小企業への支援を強化することに他なりません。

   国の財政破滅型に追随し、市の年間予算を上回る起債残高に

  ところが、本補正予算案は、国の第二次補正予算、すなわち相変わらず大型公共事業や大銀行支援に大盤振る舞いで、景気回復には役立たないどころか、膨大な国債発行による財政破滅型といわれているものでありますが、これに文字通り追随いたしまして、今、市民が切実に望んでいる介護保険の基盤整備などには何ら意を用いないばかりか、浪費の典型とも言うべき港湾関連施設整備など、ゼネコン型公共事業の積み増しがその中心をなしているのであります。そして、財源をもっぱら起債に頼ることによって、起債残高は一般会計で2兆1706億円、全会計で4兆8221億円と年間予算を大きく上回るなど、一層財政危機を募らせているのであります。とうてい容認することはできません。
 以下、具体に指摘したいと思います。

 介護保健への対応を追加予算を組んでスピードアップをはかるべき

 まず第1に、市民の緊急切実な願いにまともに応えていないことであります。特に、来年4月導入予定の介護保険は、このままでは、保険あって介護なしとなりかねません。民生局の今の計画では、特養は2000年4月で5540床、2004年でやっと8300床にするというものであります。これでは、5000人もの待機者は、介護保険実施後4年たっても解消できないではありませんか。
 目標を大幅に引き上げるとともに、追加予算を組んでスピードアップをはかるべきなのであります。又、ヘルプ事業についても、社会福祉協議会のいわゆる公的ヘルプ事業を廃止し、民間まかせにしようとしておりますが、とんでもないことだと言わなければなりません。社協ヘルパーを残し、更に増員してヘルパー派遣事業を拡充するよう求めておきたいと思います。
 又、今回、ホームレス対策として、自立支援センターの建設予算が計上されております。それ自体良いことでありますが、しかしながら、たかだか280人の定員にすぎません。1万人になんなんとするホームレスの対策としては、極めて不十分であります。私ども主張してきたように、簡易宿泊所の借り上げや生保適用などによって、その解消をはかるべきであることを指摘しておきます。

  大型公共事業は前倒し、一方で中小企業への直接発注は皆無

  第2には、このように市民のくらしにかかわるものはおざなりである一方で、削減すべき港湾関連施設整備には手厚く追加予算を組むなど、総じて大型公共事業の前倒しであって肝心の中小企業への直接発注は皆無に等しいことであります。
 今回、夢洲の15メートル大水深公共コンテナ埠頭の追加予算が5億1600万円計上されております。当局は大型の船が入ってくるので、2000年度中に完成させなくてはならない等としておりますが、全くその必要性はありません。肝心の航路は水深13メートルでこれから1メートル掘り下げて、2000年度中には14メートルにすると言っておりますが、15メートルになるのは、新人工島の土砂の受け入れ次第ということで、いつになるかわかりません。こういうこと一つをとってみても、15メートルバースの必要性、緊急性がないことを示しているのであります。
 又、同時に、大阪港における貨物の取り扱い総量についても、昨年、8600万トン余りと88年の水準にまで落ち込みました。そうして今年も、現在のところなお昨年と比べ、5%のマイナスとなっているのであります。確かに、コンテナ貨物だけは、昨年落ち込んだ分、今年になってから少し上昇しているようでありますが、それでも、港湾計画で言われているように、今後とも年率6.2%ずつ伸びて行くとは考えにくいのであります。又、仮に、コンテナ貨物量がそのようにのびるとしても、それが即15メートルバースが必要とはとうてい言えません。それは、現在の港湾計画の基点になっている92年と比べても、入港コンテナ船1隻あたりのトン数に変化がないからであります。 92年のフルコンテナ船1隻あたりのトン数は、16600トンであるのに対して、今年1月〜9月までの1隻あたりのトン数は、16800トンと、全くといって良い程変化がありません。又、コンテナ貨物量をフルコンテナ船の隻数で割った数値を比べると、92年は1隻あたり、5500トンなら99年も1隻あたり5500トンと全く同じなのであります。つまり、貨物量の伸びているアジア向けは大型船が不要である上に、ヨーロッパ航路も最初の積出港や最後の積みおろし港になるために、コンテナ満載で出入りすることがないのであります。そしてそれは、現にエバーグリーンの最新の69000トンものコンテナ船が楽々13メートルのバースに接岸していることからも明らかであります。
 この夢洲に15メートルの公共コンテナ埠頭をつくること自体、250億円もの巨費を要するものでありますが、それだけにとどまらず、航路の浚渫も必要なら、又、その土砂を埋めるために新人工島もつくらなくてはならなくなる。こういう事であります。こんな膨大な投資を要する上に、なによりも必要性、緊急性のないもので根本から見直すよう求めておくものであります。
 又、この15メートルバースの使用開始にまにあわせるとして、建設を急いできた夢洲・舞洲連絡橋についても、6億2千万円の追加予算が計上されておりますが、その必要は全くありません。

            起債依存で、財政危機が一層深刻

 第3に、ムダな事業にメスを入れないばかりか、追加予算まで組んで、そうしてもっぱら起債に依存するために、財政危機が一層深刻の度を加えることであります。
 特に、一般会計の起債残高は、磯村市長就任前の94年度末、1兆621億円であったものが、本補正予算編成後、2兆1706億円と倍にふくれあがることになるのであります。
 又、今回、埋め立て事業会計の破綻ぶりも明らかになりました。夢洲・舞洲絡橋建設にかかる4分の1の埋め立て会計負担金1億5500万円が起債がきかないために支出できなくて、9月補正の6億7500万円同様一般会計で立て替えるのであります。土地が売れないにもかかわらず、ワールドトレードセンタービルへの年40億円もの貸付金やUSJに対しての年40億〜50億円もの支出などが余儀なくされるために、92年度末には1139億円もあった埋め立て会計分の都市整備事業基金が年々取り崩されて、今年度末には70億円しか残らないところまで減少いたします。そうして来年度は、これをすっかり使い果たしたうえ、100億円分の土地が売れなければ資金ショートすることになるのであります。
 今、この面からも、夢洲、舞洲の開発の見直しが求められているということを指摘しておきたいと思います。
 なお、就学援助費や生活保護費の追加、中小企業信用保証協会への出捐などは賛成であることを表明して討論といたします。