全容の解明が必要 教育委員会の物品購入不正事件

         
瀬戸市議が追及

                       (しんぶん赤旗 2000年9月26日)

 大阪市議会文教経済委員会が9月22日開かれ、日本共産党のせと一正市会議員が、教育委員会学務課の物品購入不正経理事件を質しました。今回不正に使われた「学校運営費」というのは、学校の水道代・電気代から画用紙など生徒の教材費、学校の印刷機などの備品購入に当てられるもので、小学校では1校平均年約2千万円の予算、市立の小中高養護諸学校・幼稚園529校園全体で158億円(平成12年度)。今回の事件は、学校に割り当てられて年度末に使い残した予算を、教育委員会の学務課が集めて、家電販売会社など4社と不正な契約をむすび、不正な方法で購入していたというもので、その金額は6年間で8億3千万円にも及ぶものです。
 教育長は「学校現場での予算では不足して買えない物品の希望を各校から出してもらい、それを買うために行ったもので、経理手続きは不適性であった」と陳謝し、改善策を検討すると見解表明しました。
 瀬戸議員は、「購入方法は、不適正などの程度をはるかに超える乱脈なものだ。液晶プロジェクターを46台、2,200万円で買う契約を結びながら実際にはその金でテレビやラジカセなど多種多品目のものを納入させる、そんなでたらめな納品をさせるために、競争入札を行わせながら同一会社に10回も連続して落札させる。こんなことは納入業者との癒着なしにはできない。購入の動機についても疑わしいと指摘し、全容を明らかにするべきだ」と主張しました。
 せと議員はまた、配当された維持運営費が年間1億5,000万円も使い残されるのは、学校での配当金を使っての物品購入をがんじがらめにしばっている「学校事務センター方式」などに主要な原因がある、学校事務センター方式導入以前の各学校で契約できていたときにはこんなに使い残しはなかったと指摘し、もっと学校現場が使いやすい方式に改善するべきだと主張しました。市教委は瀬戸議員の提案も含めて検討すると答弁しました。
 せと議員はさらに、この学校維持運営費にも財政局からマイナスシーリングがかけられ、この3年間で5億960万円、1校当たり96万円も減らされている、職員室など管理諸室へのクーラー設置による電気代など設備近代化によって固定維持経費が増えている、教育委員会全体で執行する経費が増えているという理由で、学校現場に下ろす配当金そのものがこの2年間で約4億円、小学校で言えば1校85万円も減らされていることを資料に基づき明らかにし、万が一にも今回の事件を口実に学校維持運営費を削ることは許してはならない。逆に減らしてきた分、増額を要求していくべきだと主張し、教育委員会は必要な維持運営費は確保していきたいと答弁しました。