天野議長(自民)の入札妨害容疑・逮捕事件

 市長は政治責任免れない 

  大阪市議会委 姫野議員

     再発防止へ「職員倫理委」求める

 大阪市が発注した電気工事の入札に際して自民党の天野一大阪市議会議長が入札情報を業者に漏らしたとされる競売入札妨害容疑で逮捕された事件が、25日に開かれた大阪市議会財政総務委員会でとりあげられました。日本共産党の姫野浄議員は、磯村隆文市長の政治責任は免れないと指摘し、不当な圧力から職員を守り、市民に責任を果たすために、外部の人も含めた大阪市職員倫理遵法委員会などを設置して再発を防止すべきだと主張しました。
 委員会では、春田健一財政局長が報告。各党が質問しました。姫野議員は、昨年6月の中村好男議員、今回の天野一議員と調度課の関係がいずれも大阪市の公共工事の入札にからんで、競売入札妨害あるいは贈収賄で逮捕されたと指摘、議員はいずれも、市長の与党議員であること、役所の側は、財政局調度課長という契約業務の最前線の担当係長、課長であること、そういう点で磯村市長の政治責任は免れないと主張しました。
 また、逮捕された鼎(かなえ)誠三郎元調度課長は三年間にわたる、この種の要求ややりとりを記入したノートには、ぼう大な量が記入され、ノートは大阪府警の手にあるといわれています。これは、元調度課長の私物という性格のものではなく、大阪市の公共事業の発注に当たって、どんな不正常なことがあったか、どんな業者、議員がかんらんでいたかがわかる公の重要な資料、大阪市として、このノートの返還をうけ、市民に公表し、不正な入札業務を解明すべきだと迫りました。これにたいし、磯村市長は「コメントしない」とこたえるにとどまりました。
 天野議員は元調度課長によると「市職員の人事権を握っているような口ぶりで圧力をかけてくる露骨な人だった」と報道されています。財政局はマニュアルをつくり、このような場合、上司に伝えるとしていますが、個人で対応するのではなく組織的な対応が必要で、職員から報告を受けて事実を調査したり、是正を要求したり、公表することができる大阪市職員倫理遵法委員会をつくることが再発防止には必要と提案しました。磯村市長は「仏つくってたましい入れずにならないかとも思いますが、個人としては、そのことも深く考えています」など答弁しました。
 また、各党が質疑し、自民、公明など与党は契約センターをつくり一本化することや、電子契約など検討すべきなどと主張。天野議町を選出した責任にはふれませんでした。