第二回大阪市都市計画審議会開催

 市街化区域、用途地域などの変更

住民の立場で慎重な継続審議を

谷下市議が継続審議を主張 

2000年度第二回大阪市都市計画審議会が8月22日、大阪キャッスルホテルで開かれ、日本共産党大阪市会議員のたつみ正夫、谷下浩一郎両議員が出席しました。
 審議会は、地方分権一括法の制定に伴い「大阪市都市計画審議会条例」が4月1日に制定、交付され、今回から公開されるようになりました。玉出地区の市街地再開発計画に関係する多数の住民が、審議会開始二時間前から傍聴受け付けを待っていました。
 審議会では、@市街化区域及び市街化調整区域の区域区分の変更に伴い、「準工業地域」の面積を約3328haから3340haに変更とともに関連した「大阪都市計画用途地域の変更」と「大阪都市計画防火地域及び準防火地域の変更」(住之江区平林南一丁目、南港東一丁目、三丁目、大正区鶴町二丁目、三丁目、住之江区南港北二丁目)と、A西成区玉出地区第一種市街地再開発事業に伴い「大阪都市計画市街地再開発事業の決定」「大阪都市計画高度利用地区の変更」の議案(西成区玉出中一丁目)が審議されました。
 大阪市は@の理由として「市街化区域の土地利用の混在を防止し、良好な環境と合理的な土地利用の実現を図るため」、Aの理由として「公共施設の整備と併せて市街地環境の整備改善を一体的に行うことにより、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため」としています。
 @については全員一致で可決。Aについては「玉出再開発準備組合」「玉出再開発を考える会」等々から賛成、反対の意見書が提出され、市の説明後、別室で考える会、準備組合から各二名づつの意見陳述が行われました。
 「考える会」からは「もう立ち消えになると思っていたのになぜ今ごろになって決定するのか。地元にも十分な説明もなく、一週間以内350名の住民の反対がある。地権者の81名中、同意率は77%にしか過ぎない」「袋小路の場所に32二階建ビルというのは、下町の良き伝統を打ち破るもの」「そもそも再開発により、住民が利益を享受でき商売が繁栄し、暮らしていけるか疑問」「地元権利者の調整が長びけば、町内の意見は二分しており、権利変換は大変困難」「十坪未満の土地に二階建の建物を所有している弱小権利者の権利変換は大きな負担をおしつける」「弱者救済の具体策を示して欲しい。本当に誠意のある弱者救済を出してから、もう一度審議をしてほしい」等の反対意見が述べられました。
 「準備組合」からは「老朽化した木造住宅、周辺の大型店進出で深刻な状況で15年間再開発をと願ってきた。都市計画がなされても、闇雲に進めるものでない。説明会、個々説明、全員同意を目指したい。弱小権利者の救済なしにはこの事業は推進できないと考えている」等と陳述。
 その後、審議会が再開され谷下委員は「突然の再開発事業決定で、『寝耳に水』だ。拙速にすぎるのではないか。そもそも、再開発事業は原則として権利者の全員参加が前提とされている。権利者の賛否は、ここ数年間大きな変化はない。しかも、事業計画案について、具体的な説明もされていない。保留床とその処分計画、キーテナントの交渉経過、権利変換のモデルなどが示されないままの再開発事業決定はやめて、慎重審議をするとして、次回に持ち越すべき」と、玉出地区住民の生活に密着した重大な問題であるので、住民本位の立場から慎重に決定すべきだと継続審議を主張しました。
 他の委員からも「提出された資料だけで、賛否を問われても判断のしようがない。キチンと資料を出してからの審議で良いのでは」等の意見も出ましたが、賛成多数で事業計画が決定しました。
 審議会の内容は議事録作成され次第、市役所一階の行政資料センターで公開さる予定です。