資料・市政運営の刷新・適正化についての緊急提言

平成元年12月

市政運営刷新委員会

平成元年12月4日

大 阪 市 長  西尾 正也 殿
大阪市会議長  多賀谷 宏 殿

市政運営刷新委員会
委員長  大浦 英男

「市政運営の刷新・適正化についての緊急提言」について

 本委員会は、平成元年11月18日の設置以来、市政運営について、刷新をはかり、適正化を期するため検討を重ねてきたが、今般、緊急を要するものについてとりまとめたので、別添のとおり提言します。

1.提言にあたって

 市政運営刷新委員会は、今回の本市職員による不祥事を契機として、二度とこのような事件が発生しないよう、議会と理事者が一体となって、市政運営について、刷新をはかり、適正化を期し、一日も早く市民の市政に対する信頼を回復するため、平成元年11月18日に設置され、以降、取り組むべき方策について、さまざまな角度から検討を行ってきたところである。
 本委員会としては、その設置経過に鑑み、検討課題の中で緊急を要するものについて、検討結果をとりまとめ、次のとおり提言するものである。

2.緊急提言

 1.議員と職員との関係

職員が議員に説明を行う場合、あるいは、議員が職員に説明を求める場合は、課長以上の者が対応し、節度ある時間帯、場所を設定する。(原則として庁舎内・執務時間内に行い、例外の場合は、職員所属長に、議員は幹事長に、事前、または、事後の報告を行う。)

2.飲食を伴う会合の整理

 @以下の公式行事については、全廃する。

(1)常任委員会制服委員長に対する予算概要説明を伴う懇談会
(2)予算市会に際しての市会役員との懇談会
(3)予算委員会実調後の懇談会
(4)予算市会終了後の懇談会
(5)予算成立懇談会
(6)新旧市会役員との懇談会
(7)市政記者との懇談会
(8)初委員会後の懇談会
(9)公営決算実調後の懇談会
(10)一般決算市会に際しての市会役員との懇談会
(11)一般決算実調後の懇談会
(12)納め市会終了時の懇談会

 A公務・行事で、飲食を伴うものは、必要最小限の範囲内で行う。(例新年互礼会、国際交流関係、施設の開所式、他都市来訪時の接遇等)

 Bその他の公費による飲食を伴う会合等は行わない。

3.タクシーチケットの適正な使用と管理体制の強化

4.議員が主催する祝賀会等各種会合に際して、理事者、外郭団体から会費などの金品を授受しないこと

5.議員・職員間の贈答(中元・歳暮、役職就任祝等)の禁止

3.結びにかえて

 市政に対する市民の信頼を一刻も早く回復するために、本委員会がまとめた緊急提言については、以上のとおりであるが、委員会設置の趣旨からしても、この提言をもって、本委員会の使命を終えるものではない。今後、今回の不祥事の解明にあわせて、引き続き調査を行うことはもとより、これまでの委員会の議論の中でも、例えば食料費などの公金支出、虚礼の取扱、公用車の使用のあり方など具体の項目があげられたところであるが、市政運営についての刷新を図り、また、適正化を期するためには、さらに協議を重ね、検討を続けて行かねばならない課題があると認識している。したがって、本委員会の設置目的を達成するためにも、これらの残された課題について、今後引き続き、精力的に取り組んでいく決意である。
 なお、この提言については、議会、理事者双方が、その趣旨の周知徹底をはかるとともに、その実効性を確保すめための措置を講じることが必要であり、理事者側に、公務員としてのモラルの向上や公金管理の適正化をはかること、また、議会側においては、自浄能力の一層の発揮と議員としてのモラルの向上に努めることを、委員会として、強く求める。

あわせて、緊急提言の実効性を確保するための措置も提案されました。

緊急提言の実効性を確保すめための措置

1..理事者側としての措置

 直ちに全職員に市長訓令を発し、提言の趣旨の周知徹底を図り、違反者については、厳正に対応する。(処分もありうる)

2..議会側としての措置

 各会派で、次の点について申し合わせることを確認する。「この提言の趣旨を厳正にうけとめ遵守するよう周知徹底を図るとともに、各会派の自浄作用を発揮し議員モラルの向上に努める。必要な場合には、氏名公表など厳しい措置を講ずる。」