9月、10月大阪市議会が閉会
切実な要求かかげ奮闘
日本共産党 関根幹事長に聞く
9月、10月大阪市議会が18日終わりました。関根信次・日本共産党大阪市議団幹事長に聞きました。
−今議会の特徴についてお話ください。
多角度から具体的に追及
関根 まず第1に、交通・水道事業にかかわる問題です。公共の福祉の増進に寄与するという地方公営企業の目的にふさわしいのかどうか、わが党はさまざまな角度から具体的に追及しました。
地下鉄は営業利益が136億円、剰余金も差し引き1,476億円もあるのに、ことさら経営のきびしさを宣伝し、ニュートラムの運転無人化を強行し、バリアフリーについても改善すべき問題を山ほど残しています。地下鉄駅のゴミ分別収集では市民には分別をよびかけながら、自らはごちゃまぜにして焼却しています。霞町・フェスティバルゲート、住之江・オスカードリームの2つの土地信託事業は大失敗しており、ただちに信託を終了し交通局財政への損害を最小限にくいとめるよう求めましたが、磯村市長はこれを拒否しました。
またバス事業については、規制緩和のもとで市民の足として貴重な役割を果たしている市バスを公営交通として守り抜く立場から、小型ノンステップバス(100円バス)を全行政区に広げることを財源も示して求めました。
水道事業については、WTCビルへの水道局の移転問題をとりあげ、巨大開発失敗のつけを水道事業におしつけるものであり、移転のとりやめを求めました。マンションの水道メーター取替えは公費でおこなうべきこと、同和浴場の水道料金二分の一減免をいつまでも続けるのはやめることを主張しました。
介護保険料低所得者への減免を実現
第2は、市民の運動とむすんだわが党議員団の奮闘です。
今議会には、45の請願・陳情が提出されました。ほとんどが福祉・教育・街づくりなど切実な市民要求に基づくもので、これらの採択を求めて論戦しました。「中小建設産業界への経済対策の更なる充実と市民が安心して暮らせる生活環境の実現を求める請願書」「阪神西大阪線の延伸に関する陳情書」は全会一致で採択されました。長居公園野宿者一時避難所問題について約3万人の署名とともに3つの地域団体が提出した陳情については、採択を主張したのはわが党だけでした。
市民の運動とわが党議員団の奮闘で、大阪市では低所得者への介護保険料減免が実現しましたが、わが党は委員会質疑で、保険料減免の対象を広げ申請書の改善をはかること、利用料の減免に踏み切ることを強く主張しました。
また、右翼団体代表から出された市議会本会議場に「日の丸」掲揚を求める陳情に対し、多くの団体から反対の陳情や申し入れが機敏に行われました。平和と民主主義の課題もいっそう重要になっています。
− 市議会議長が逮捕される事件が起きましたね。
関根 天野前議長が業者に市発注工事入札の便宜をはかって逮捕された事件は、与党議員と行政、業者の癒着が表面化した重大問題です。わが党は事件の真相解明と再発の防止、議長・議員の辞職を求めて奮闘しました。委員会では、天野氏の議長就任祝賀パーティ(会費20,000円)に、平日の午後にもかかわらず交通・水道両局長など多数の市幹部職員が出席した問題を追及しました。11年前、市政をゆるがした公金詐取事件の際、市政運営刷新委員会がまとめた緊急提言では、議員が主催する会合で理事者から会費などを受け取らないことが明記されています。時間がたてば反故にしようという態度は許せません。
新議長に就任した玉木氏は、「市政運営刷新委員会を再開して市民の信頼回復のための改革に向けて取り組む」とのべました。わが党は、委員会の市民への公開、マスコミの傍聴を要求しましたがこれを拒否しました。これでは市民の期待にこたえることはできません。事件の真相解明と汚職・腐敗のない清潔・公正な市政の実現へ、引き続き全力をあげます。
与党議員はリストラ迫る
−他党・会派の態度はどうですか。
関根 自民・公明など与党議員の質疑に共通していたのは、交通・水道事業では「さらなる効率化をはかれ」「人件費の抑制が不可欠だ」「コストの削減へどのような企業努力をするのか」など、合理化、リストラの推進を迫る立場でした。水道局のWTC移転問題では、移転を既定事実とし「跡地の有効利用」を一致して主張しました。
現在の大阪市政の最大の問題は、市民生活を犠牲にしてムダと浪費の巨大開発を「国際集客都市」をスローガンにあくまでも進めようとしていることにあります。夢洲開発の促進を迫るなど、この路線の推進を求める点では、公明党が際立った役割を果たしました。
また与党は、市民の請願・陳情について、ほとんどを「継続審議」、事実上の棚上げにしてしまいました。