追加負担容認できない

谷下議員 関空建設協力費で主張

(しんぶん赤旗 2000年11月8日)

 大阪市議会計画消防委員会が6日開かれ、日本共産党の谷下浩一郎議員が関西国際空港建設協力費をについて、直面している経営、地盤沈下問題をとりあげ、データーや科学的な見通しもないままに、緊急対策だけでことをすませ、追加負担を地方自治体になし崩し的に求めるというやり方は到底容認できないと主張しました。
 大阪市は今回の補正予算に一期島の給油施設、航空旅客取扱施設に係る止水壁設置工事にたいし、関西国際空港建設協力費1億7500万円を計上しています。
 谷下議員は経営問題で@開港六年を過ぎ、負債合計1兆1407億円、累積赤字1,571億円、利子払いに99年度444億円支払っている状況で、開港後5年で単年度黒いう目標は達成できていないことA総務庁行政監察局の「特殊法人に関する調査結果報告書」で営業収益が98年度には減収に転じ、航空機の発着回数も伸び悩んでいると指摘されていることBIATA(国際航空運輸協会)空港審議会は第二の滑走路とターミナルビルを建設するより現存の滑走路を有効利用し、将来の需要に備えて、現在のターミナルビルを拡張するように勧告していること−を指摘しました。
 旅客ターミナルビルと貯油タンク周辺の不同沈下問題では予測が何度も修正され、実測地もなかなか公表されず、調査17地点も途中に変更されるなど全く不透明であると厳しく指摘。現在もなお20センチ以上の沈下が進み、地質科学者の一人は「洪積層沈下予測は、未経験で、多くの問題があり、確定的な予測は期待できない」と懸念されていることを紹介し、「運輸省や関空は沈下予測値、修正値の根拠、実測値の推移など地盤沈下にかかわるすべてのデーターを直ちに公開し、住民合意の抜本対策と大阪市においても関空検討委員会を設置し、厳しいチェックを行うべき」と主張しました。
 雨水千明計画調整局交通空港政策課長は「関空予測に比べ、タンク地区1.1m、旅客地70センチすすんでいるがそれ以外は著しい沈下は見られない」と答えました。