行政上の特別扱いやめよ

同和事業未利用地 谷下議員が是正求める

(しんぶん赤旗 2000年11月27日)

 大阪市議会決算特別委員会が20日開かれ、日本共産党の谷下浩一郎議員は、大阪市が吹田市内に保有する6,311uを含め約74,000uある同和事業未利用地問題をとりあげ、行政上の特別扱いをやめるよう求め質疑をおこないました。
 吹田市内の保有地は、26年前に東淀川区飛鳥地区に同和対策事業用の諸施設建設として、代替土地名目で大阪市が6億7,000万円で買収。その後、府との土地交換が成立するまでとして、飛鳥地区協議会と無料の使用契約をむすび、菜園として使用。同敷地内に「解同」幹部業者が居宅を建設、市の補助金で建設した休憩所など自分名義で登記、借金の担保にした事件が発生。この問題を1982年11月の決算委員会で、日本共産党の関根信次議員が取り上げました。
 谷下議員は、すでに飛鳥地区に計画した諸施設も建設され、取得目的が終了しているにもかかわらず、飛鳥地区の菜園のまま、あらたに90年に4,300万円の補助金で建て替えた建物に一家族が住居として占有している現状を示し、貴重な市の財産を長期にわたって放置し、適切な対応をも怠っている市の責任を追求しました。
 当局は「菜園の管理のため必要な措置」とくり返すのみで、解決への努力も、方策も示すことのできない無責任な答弁に終始しました。
 谷下議員は、市の財産運用委員会で利用計画のない土地や利用計画はあるが事業化の目途がないとして、99年度検討対象土地のなかに、同和事業未利用地については、吹田の用地を含め一件もその対象になっていないと指摘し、特別扱いをやめ、市民の納得できる解決を求めました。
 磯村隆文市長は「いろいろ経過もあってそうなっていると思うが、同和地区用地については、一般施策としても活用を図るため具体的検討を進める。」との答弁にとどまりました。

暫定利用を含む同和事業未利用地調べ
                平成12年3月末日現在
利用状況 箇所数 面積
未利用地(空地) 36ヵ所 13,523u
暫定利用中の未利用地 83ヵ所 60,576u
  駐車場 45ヵ所 27,293u
菜園 14ヵ所 10,850u
ゲートボール場グランド広場等 24ヵ所 22,433u
合計 119ヵ所 74,099u

総額約135億円