3回 都市計画審議会 北港テクノポート線計画

市民合意えられない

たつみ正夫大阪市議 都市計画審で反対質疑

12月4日、大阪市都市計画審議会がKKRホテル大阪で開かれ、日本共産党の辰巳正夫市議が「北港テクノポート線計画は、地下鉄森小路大和川線のように地域住民の要求に根ざした鉄道とは異なり、集客都市づくりの名の下に巨額の財政を投じたもので、必要性、緊急性、採算性の上で、市民的合意のえられない計画だ」と、建設工事について反対の質疑をおこないました。
 北港テクノポート線は、1870億円の巨費を投じ、2008年開業を至上命令に、事業を開始しようとしていますが、自治体の開発至上主義の立場にたった無駄な公共事業の一つであり、大阪経済の活性化や市民生活の向上にむすびつかないばかいりか、福祉や教育の切り捨て、環境の破壊をひきおこしており、抜本的な見直し、計画の凍結や廃止こそ強く求められていると指摘。「逆立ち政治」をただし、「住民が主人公、住民のくらしや福祉、教育の向上に奉仕する自治体」への根本的転換こそが何よりも重要だと主張しました。
 同議員は埋め立て中の舞洲の地盤沈下について、駅舎やトンネル等の鉄道構造物に及ぼす影響は『北港テクノポート線に関わる環境影響についての検討結果報告書』で、「事業実施に際し、鉄道構造物が沈下による影響をうけないよう、その構造工法を十分に検討するとともに、適切な施工と維持管理を行う事が望まれる」と問題の深刻さを指摘していることを紹介しました。
 さらに、この高速鉄道事業の実施によって「自動車輸送と鉄道輸送の適切な分担がはかられる」「大気汚染物質の低減がはかれる」という問題について、住之江区の南港ポートタウン周辺臨海部、舞洲地区の実態を示し、USJが開業すれば、もっとひどくなることが予測されると主張。高速鉄道自体は、大気汚染物質を排出しないが、鉄道の敷設が業務、商業、臨港地区への事業所の立地や道路、自動車の増大をもたらして、大気汚染やクルマの渋滞、道路の混雑をつくり出すのであって、鉄道の設置がいつの場合でも、大気汚染物質の低減を促進するものではなく、鉄道によって開発が促進され、自動車交通量が増えれば、当然、大気汚染は増大することを厳しく指摘しました。
 また北港テクノポート線は南港と此花桜島を結び、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)と夢洲の住宅開発(150ha、45,000人)などを目玉にしていること、USJは本来、自治体が音頭をとって自ら行う事業ではなく、夢洲の15,000戸のマンション開発などは、膨大な基盤整備と、公共施設建設を必要とし、大阪市の現在の財政、経済の情勢の下では成り立たない無用な計画で、緊急整備の必要性はないと述べました。