新人工島建設に1810億円

土地売れる見込みない

下田議員 計画中止を主張

(しんぶん赤旗 2000年12月14日)

 大阪市議会建設港湾委員会が13日開かれ、日本共産党の下田敏人議員は、公有海面を埋め立てるための議案で、大阪市の提案について質疑しました。
 夢洲の沖合いで300haを埋立護岸工事がすすめられようとしている新人工島について、大阪市は新島の単独事業文1,810億円を記載でまかない、106haを売却して、事業文にあてようとしています。下田議員は、売却の見込みがないこと、さらに水深15mのコンテナふ頭を2ヵ所と多目的ふ頭2ヵ所を建設しようとしていることについても利用者がいないと指摘。埋立計画を根本的に見直し新人工島計画は中止すべきだと主張しました。
 大阪市が、新人工島をつくる目的にしているのはふ頭用地や危険物取扱施設用地、保管施設用地などです。新島の単独事業費は、護岸整備に1,240億円、その他の道路上下水道の工事に約320億円、起債利子約250億円で1,810億円の巨額にのぼります。106haの土地を売却して生みだすというのが大阪市の方針です。
 下田議員は、危険物取扱施設の用地について、「此花区梅町から移転してくるとされている業者は大阪市から借地して営業しており、その業者が、土地を購入するとは思えない」と指摘しました。
 また、「保管施設用地についても、2つのコンテナふ頭や多目的ふ頭に船主がくる見通しがないのに、物流業者が購入することはない」と指摘。夢洲にてぎた15m水深の公共ふ頭は利用されていないこと、エバグリーン社の69,000トンをこえる船も、積み荷が少なく水深13mのふ頭にも入港していると指摘。1,810億円の居核を支出する新人工島の埋め立て計画は根本的に見直し、中止すべきだと主張しました。