意見書の経過

12月18日の本会議関係の意見書

  12月18日の本会議には、日本共産党市会議員団は「介護保険制度の改善を求める意見書(案)」「海洋環境保全体制の充実を求める意見書(案)」を提案しました。
 各派折衝の結果、「介護保険制度に関する意見書」「海洋環境の保全に関する意見書」が共同提案で全会一致採択されました。

 
(日本共産党の原案)

        介護保険制度の改善を求める意見書(案)

 介護保険制度は、発足以来9カ月目に入り、ますますその矛盾を深めている。
 それはまず第一に、保険料の負担にたえられない高齢者が続出していることである。この10月から始まった1号被保険者からの保険料徴収に、「これでは生活できない」などの悲痛な高齢者の声が、本市窓口に寄せられている。
 実際、わずかな年金で暮らしている多くの高齢者にとって、新たな介護保険料の負担は、医療費の負担増とも相まって、大変重いものと言わなくてはならない。
 こうした中で、本市においても、第1、第2段階の低所得者に対して、「生活困窮」を理由とする保険料減額を実施したところであるが、減額対象者が極めて限定されているために、多くの高齢者は全く救済されないままなのである。
 又、介護保険制度のもつ矛盾点の第二は、利用料が高いために、必要な介護サービスを受けられない高齢者が増大していることである。
 本市の行った調査でも、利用者の中の苦情の最も多いのは、制度発足前と比べ、負担が大きくなったということであり、多くの高齢者が自分の財布と相談の上、介護サービスの量を決めざるをえないのである。
 したがって、いきおい、要介護度に応じた利用限度額一杯までサービスを受ける人が少なくなるために、本市介護サービスの給付額は、当初見込みの69%にとどまっているのである。これでは、いったい何のための介護保険かと言わざるをえない。
 利用料を引き下げて、高齢者が安心して、必要な介護サービスを受けられるようにすることが、強く求められているのである。
 よって、国におかれては、最小限以下の2点について、緊急に措置されるよう強く要望する。
1、保険料は、住民税非課税世帯まで無料にすることをめざしつつ、当面、生活保 護基準の1.3倍までの所得者に対して、減額を実施すること。
2、利用料は、当面、すべての居宅サービスを、新規も含めて3%に軽減すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


(共同提案で採択)

介護保険制度に関する意見書

 我が国の人口の高齢化は急速に進行しており、介護や介助を必要とする高齢者が増え続け、高齢者の介護や介助問題に対する国民の関心も非常に高まっている。
 このような中、国民生活や地方行財政に極めて重大な影響を及ぼす介護保険制度が、本年4月から実施され、特に10月からは65歳以上の高齢者からの保険料徴収が開始されたことに伴い、新たに介護サービスの質・量等にかかわって様々な意見も出されてきており、改めてよりきめ細やかな対応が求められているところである。
 よって国におかれては、介護保険制度について、より一層広く国民の理解と協力が得られるよう広報活動にも努められるとともに、地方自治体や要介護者及び家族に過重な負担を生じさせることなく、国の責任において、将来にわたって長期的に安定した運営となるよう努められたい。特に、施設整備や人材確保などサービス基盤の早急な整備を図るための国庫補助制度の拡充と、事務システムの構築や事務に要する人員の確保に必要な財政措置を講じられるとともに、低所得者等の保険料や利用者負担の減免については、高齢者の所得状況等の実態を踏まえ、介護サービスの利用が制限されることのないよう特段の措置を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 


 (日本共産党の原案)

海洋環境保全体制の充実を求める意見書(案)

 瀬戸内海は、貴重な漁業資源の宝庫であり、大小無数の島々が存在する美しい自然環境を有している。また、古来より、海上交通が発展してきた地域であり、現在も多数の船舶が航行していることは周知のところである。このような自然的・社会的財産を後世に継承していくため、瀬戸内海の環境保全に努めることは国の責務である。
 とりわけ、船舶やコンビナートからの油流出による大気や水質汚染から環境を守ることは、今日、重要な課題となっている。
 現に、日本海でのナホトカ号重油流出、対馬沖での油流出、東京湾横浜沖でのタンカー座礁による原油流出などの重大事故が最近相次ぎ、それに至らない小規模な事故は、瀬戸内海でも毎年数件発生しているのである。
 現在、運輸省第三港湾建設局管内(近畿・中国・四国)では、6つの港を基地港として、ゴミ等を回収する海面清掃船3隻、ゴミ等と油を回収する海面清掃兼油回収船4隻の計7隻を保有し、海洋環境整備事業を実施している。しかし、ほとんどの船舶は老朽化が進み、乗組員も正職員が確保できずアルバイトを含めて事業を実施しているのが実態である。
 船舶航行の安全確保や環境保全の上で、日常的な海面浮遊ゴミの回収は重要であり、油流出事故が発生した場合は沿岸に漂着する前に回収するのが鉄則となっている。したがって、海域の条件に沿った機動性や回収能力の優れた船舶・機材の開発と配備が不可欠であり、これら事業の正職員による実施が、作業効率と安全性を高めるために必要であることは言うまでもない。
 よって、国におかれては、海洋環境保全の重要性に鑑み、海洋環境整備事業の実施体制を一層拡充されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


(共同提案で採択)

海洋環境の保全に関する意見書

 我が国は、四方を海に囲まれ、海洋はこれまで、漁業資源としてだけではなく、海運をはじめ、観光やスポーツ・レジー等、様々な面で利用されてきており、このような貴重な財産を次世代にわたって継承していくため、海洋環境の保全に努めることは我々の重要な責務である。
 しかしながら、現実は、河川等から流入する陸上由来の浮遊ごみや船舶からの油漏れ・廃棄物投棄、また大規模な油流出事故の発生等に海洋環境に少なからず影響・被害が生じており、憂慮すべき事態となっている。
 言うまでもなく、これらに対して必要な修復措置等を講じていくとともに、海洋環境の保全対策を効果的に進めていくためには、関係地域が一体となった取組みが必要である。
 よって国におかれては、海洋環境を良好な状態で保全し、将来にわたって海洋の恵みを享受できるよう、環境整備はもちろんのこと、監視・取締り、保全思想の普及・啓発及び調査・研究等、海洋環境の保全に関する各種の施策の充実に一層努められるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。