正連寺川

PCB汚染ヘドロの処理を

瀬戸大阪市議ら 府、公団に申し入れ

(しんぶん赤旗 2001年1月31日)

 阪神高速道路公団がすすめている高速道路工事の正連寺川左岸(此花区)で見つかったPCB汚染ヘドロの処理問題で、日本共産党の瀬戸一正大阪市議と^腰幸治西淀川此花地区委員長は30日、汚染処理対策をすすめている大阪府と阪神高速道路公団に申入れをしました。
 党府議団から奥野勝美、岸上しずき両府議が同席。各氏は「情報が非常に少ない」「住民の安全を第一に」などとのべ、後日、回答するよう求めました。府から青島行男土木部都市河川課長、阪神高速道路公団から高田春夫工事管理課長が応対しました。
 申入れは、汚染ヘドロから検出されたダイオキシン類が、最高の濃度では能勢のゴミ焼却場の敷地内のダイオキシン汚染土壌に匹敵するといわれ、住民に不安が広が伝いるにもかかわらず、十分な調査と情報公開、住民への説明などもしないまま、府と阪神高速道路公団が道路建設をすすめようとしていることからおこなったものです。
 申入れ書では、汚染ヘドロ内のダイオキシン類の十分な調査や汚染ヘドロを大気中に出した際のき発・蒸発の仕方の科学的な調査、汚染ヘドロを別の場所で保管する場合の建設費用と工期などの全面的な情報公開、「全量撤去方式」も選択の一つにしたアセスメント、住民に処理計画が一度も説明されていないなかで阪神高速道路公団がおこなった工事「入札公告」の取り消し−など9点を求めています。

 

《正連寺川PCB汚染ヘドロ》
 正連寺川からPCB汚染ヘドロが発見されたのは99年10月。阪神高速道路公団が正連寺川の左岸線埋め立て工事を始めようとしてわかりました。府の調査では、環境基準を超えるPCBに汚染されたヘドロは、恩貴島橋下流付近から北港大橋上流付近まで長さ750m、幅50m、厚さ1m〜3m、70,000〜80,000㎥におよび、PCBは最高960r、ダイオキシン類(コプラナPCB)は最高21,000ピコグラム(能勢ゴミ焼却場の敷地内のダイオキシン汚染土壌に匹敵)にもなっています。PCBがこれほど大量に人家密集地に近接した河川に投棄されていた例は全国にないといわれています。
 府は、約半分の37,000㎥についてはいったんヘドロを大気中に出して脱水処理し、ふたたび川に埋め戻す「封じ込め」方法で処理するとしていますが、住民からは、すべてを掘り出し、処分地に運んで保管・処分する「全量撤去」の声があがっています。
 昨年1月、ダイオキシン類対策特別措置法が施行され、PCBに存在するコプラナPCBが正式にダイオキシン類とされ、大気、水質、土壌の環境基準などが決められましたが、汚染物の処理基準についてはまだ決められていません。