歴史の歪曲はアジア諸国との友好関係の基本を覆すもの

歴史教科書採択問題で小笠原議員が質疑

 3月15日、大阪市会文教経済委員会で日本共産党の小笠原正一議員は、小島孝治大阪市教育委員長に、日本の侵略戦争を「アジアの解放戦争」などとする「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書が部分的な手直しで政府の検定に合格しそうだという動きに内外から批判がわき起こっている問題についてただしました。
 同市議は、98年10月の日韓共同声明、11月の日中共同宣言は、日本とアジア諸国との関係の基本的前提なっており、この立場に立つなら、かって武力による植民地化や侵略戦争でアジアの人々を苦しめた日本がそれを反省するどころか、逆にそれを美化する教科書をつくるなどは、あってはならないことだとのべ、中国や韓国をはじめアジア諸国が日本政府に有効な措置をもとめ両国関係に悪影響を与えると警告するのは当然だと指摘し、それをあたかも内政干渉だと非難することこそ、今日のアジア諸国との友好関係の基本的前提を破壊するものだとのべました。
 そして、国際集客都市を標榜し、近く世界卓球大会、東アジアスポーツ大会を迎える大阪市の教育委員長として、この諸外国との関係の基本的前提を踏まえることは極めて当然のことであると強調、教育委員長の見解を質すとともに、アジア諸国から起こっている教科書選定問題での批判を内政干渉と考えているのかたずねました。
 小島教育委員長は、「一般的に近隣諸国をはじめ世界各国の友好関係の発展をはかることは我が国外交の基本」とのべましたが、内政干渉かという問いには「私見をのべるのは差し控える」とのべました。
 また同市議は、大阪市内で使用する教科書の採択に際し、現状では現場教師の意見を一定反映させるシステムになっているが、これに反して「採択から教師を排除せよ」という意見について、教育委員長の見解をただしました。
 小島教育委員長は「教科書採択にあたっては公正、公平な姿勢でのぞむ」と答えるにとどまりました。
 
この歴史教科書の採択問題については、小笠原議員の主張とは全く逆の立場から、自民党の大西宏幸、船場太郎両議員が質疑を行いました。