ホームレスの生活保護費横領問題
山中智子議員が民生局に申入れ
大阪府警は、19日、ホームレスの人たちを管理下において、生活保護費を横領していた容疑で、自称・ボランティア団体「健生連命会」城東支部長の和田年弘容疑者を逮捕しました。これが事実ならば、ホームレスの人々の暮らしと生活保護制度を食い物にする極めて悪質な事件です。
日本共産党の山中智子議員(民生保健常任委員)は、大阪市民生局保護課に対して、事件の内容を詳しく聞くとともに、以下の三点を申し入れました。
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この事件でなによりも犠牲となっているのは、野宿を余儀なくされていたホームレスの人たちであり、類似のケースが他にないかも含めて実態を詳細に調査し、被保護者の人権を守るために全力をあげること。
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大阪市がいままで、住居がないことや就労能力があることを理由にして、ホームレスの人たちの生活保護受給を拒んできたことが、こうした悪質な団体の暗躍の余地を生んだことが指摘されている。日本共産党が、主張してきたように、10,000人といわれる全ホームレスを対象にして、緊急に簡易宿泊所の空き部屋の借り上げ、緊急避難施設の建設など国と大阪市の責任で住居を確保することや、厚生省も指導しているように、これまで行政側にあった機械的な保護行政を改め、実態にあわせて改善し、窮迫する事態にあっては、大阪市が職権で生活保護法の積極的な適用をすすめることが必要である。
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また、大阪市は「行革」の名でこの間市職員定数を削減し、生活保護のケースワーカーについても生活保護の増加に応じて増員をしてこなかった結果、高齢者のケースは、嘱託職員が1人で400ものケースを訪問し、4ヶ月に一度顔を合わせる程度という状況になっている。このことが、このような異常な事態の発見と是正を遅らせたことは否めない。早急にケースワーカーを増員し、人権に配慮した暖かい保護行政をすすめることが必要である。