日本共産党・大阪市会議員団の「分譲マンション問題」に関する取組みについて 

どうも、みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました日本共産党大阪市会議員団のたつみ正夫でございます。私は西淀川区の選出でございますが、今日、団の主催という事で開かせていただきました交流・懇談会に、たくさんの方がご出席賜りまして、本当にありがとうございます。また、平素は、私ども議員団の活動に何かとご指導、ご支援賜っておりますことをこの場をおかりいたしまして、あらためてお礼を申し上げたいと思います。
 私の方から、市会議員団のマンション問題の取組みについて、簡潔にご報告をさせていただきます。

1. 市内分譲マンションの現状と議会で取り上げた要求・課題について
 ●分譲マンションの建設トラブルから管理・維持・運営の支援まで●
  私は、議会に送っていただいて27年目になるんですけれども、最初の20年ぐらいはマンション問題と言いますと、マンションが建つときにですね、近所の住宅の皆さんが、高層建築物の工事にいろいろ苦情なり、ご意見を言うて来られる。マンションが建つと言えば、たいがい、近所はひと騒動が起こることになるんです。私の西淀川でも最初の20年は、マンショントラブルといえば、近隣対策と建物の被害で迷惑を受けた住民の皆さんのご相談にあずかる。建築業者などと交渉にあたる、と。これがマンション問題なんですね、私は、平均して常時10ヵ所くらいの交渉を受けておりました。マンションが建ちますと、近所の家が前に一列、10軒ぐらいあるだけでなくて、たいがいマンションの東側、西側、南側、北側、周辺に家がありまして、それぞれ事情が違うから交渉グループがいっぱいできまして、そこへ私が行き相手を呼んで交渉する。一回で済むことは全然ありませんで、何回も何回も交渉する。1ヶ所でそうなんですから、10ヵ所もかかえておったら、毎日、トラブルの交渉に出向いて行って話をしている。こういう事をやっていました。
 そのような時に住民の方が相談にみえるのは、もう決まってまして、日本共産党の市会議員の人。そういう人でないと一生懸命やってくれませんから、高いマンションってひどい迷惑な話やと、思っておるんですけれど、私自身は、分譲マンション、10階建ての分譲マンションに住んでおりまして、20年経つんです。まあ、90名市会議員さんがおられますが、分譲マンションに住んでいて、ローンを払い続けている市会議員は、ひょっとしたら私だけかなという気持ちです。これはもう議会で、分譲マンション、共同住宅の皆さんの管理・維持・運営を支援をしなければいう気持ちで議員団のみなさんといっしょに頑張ってきた、この7年間でした。 

●管理組合と入居者の活動と役割●
  今、大阪市には、分譲マンションの団地数が2,210団地。所帯数で197,500世帯あります。ざっと、20万ですが、市営住宅が10万戸といっておりますから、市営住宅の倍、分譲マンションがあります。ですから、全戸の20%が分譲マンションで、そこへ市営住宅、府営住宅に賃貸のマンションを入れますと、木造の従来型の住宅でない共同住宅というのが、おそらく4割くらいになるだろうと思います。大阪市は約2割が分譲マンションと申し上げましたが、地域では、様々な内容があると思いますが、私の住んでおります西淀川区佃町というところは6,000世帯のうち3,000が分譲マンションさらに、。いま570戸の分譲マンションを造っていますから、半分以上が分譲マンションです。そうしますと、このマンションにお住まいの方々は、比較的、若い方が多く、20年も経ちますと、変わってきますが、そういう新しくできた住宅地、マンションの皆さんが、地域で、PTA会長や町会長をやり、商店街や、市場の商人の人々がだいたい、近くの分譲マンションに住んでいるんです。このように商店会長、市場会長から散髪屋さん、パーマ屋さんも魚屋さんも市場の人々の多数の方の家がマンションなんです。ですから、マンションぬきで待ちづくりは考えられないと。それで高層ですから、いざ水害という時はマンションへ逃げこまなければいけないので、私の「佃コーポ」は、広域避難所になっているんです。それでも、固定資産税など、全然負けてくれませんが。そういうふうにマンションというのは、街づくりに、欠かせない役割を果たして、さっき言いましたように、PTA役員や青少年指導員などマンションの人が地域でたいへんがんばっておられます。もう今だったら、ゲートボールのチームがあるといったら、マンションのチームが優勝してきた、盆踊りやってもね、民謡会やっても、いつも活躍しているのがマンション。私の佃連合は19町会ありますが、運動会やソフトボールというと、いつも優勝候補で町会全体を引っ張っています。 

●議会での質疑項目●
  このような中で、ちょうど7年前に、議会で予算議会とか決算議会とか事前調査の委員会などで、分譲マンションの問題を取り上げて、党議員団が質問を行ない、皆さんの要求を実現せよと行政に要求してきたことについて、お手元の資料に書いております。今から7年前にはじめてマンション問題を取り上げてから、ずっと今年の1月の議会でも、3月の議会でもマンション問題をとりあげてきたのが共産党議員団です。お渡しした資料にも入れておりますが、3枚目の資料にありますが、他党、他会派の議員団も2割からあるマンションのことについて、少しは考えてくれているんじゃないかと思って調べました。議会の中で分譲マンションの皆さんの要求を取り上げて一言でも発言した議員は、共産党以外に誰もありませんでした。自民党、公明党、民主・民友など、本当に不思議なくらい。誰も発言しておりません。

●補正予算及び2001年度予算要望について●
 
そして、各党の議員団の予算要望書を取り寄せてみました。日本共産党は去年の補正予算、今年の3月予算議会に出しました2001年度予算要望では、こういうふうに皆さんの要望を全面的に実現するという立場から大阪市に強く要求し、議会でも質問し頑張っておりますが、自民党はですね、「ワンルームマンションの建設にあたってね、駐輪、ゴミ対策なんか、どないかせ」とか何か、訳のわからないような、、公明党はですね「マンション購入資金など、融資制度」をどう、とか一言、書いてあるだけ。民主・民友は、「民間マンションの建設に対して、生活環境の保全に努めよ」という事で、近隣対策のことです。だから、分譲マンションを買って、お住まいされてローン払って、そういう維持管理に苦労されている皆さん分譲マンションの事は、大阪市会では、日本共産党以外の党は、ほとんど問題にしてない。関心をもってない。質問をやったことがないということになります。     日本共産党の国会議員団が、国会でもどのように頑張っているかという事をいつも参考にして、そこから、たくさんの事を学んで、議会でも取り上げておりますが、国会でも一番たくさん質問して分譲マンション入居者、管理組合の方々の要求、実現に努力してきたのが、日本共産党国会議員団という事に確信を持っております。 

●市内のマンション建設と2001年度の固定資産税の減免について●
 
それから、今年から、資料とニュースでお渡ししまたが、団のニュースでも、ご覧になったように分譲マンションのプレイロットと集会所の固定資産税が減免されました。ところが、プレイロットの減免も100u以上でないとだめだとか、そういう制限つけたために、2,210ある団地のうち、減免の適用を受けたのはわずか215団地なんです。資料に書いていますように、1割以下なんです。だから、減免を除外された9割のマンションは怒ってます。100u以上の集会所、プレイロットは役に立っておるけれども、99u以下は全然役に立たないのかと、こういう事になりますから。何を考えて、どこを見て、大阪市はこういう事をやっておるのかと、腹を立てておられると思います。しかし、分譲マンション居住者の皆さん、管理組合理事会の皆さんが、行政に対して、目を向けていく、大きな契機となる問題であり、今後の前進のための課題をもらったことになると思います。
 集会所の場合はさらにひどく2,210団地のうち、集会所の広さが100u以上あって、減免されたのはたった65団地でした。これからは、今後に向けて、私ども議員団はプレイロットが狭かろうが、少々、集会所が100uなくてそれより狭くても、全部、減額せよと要求していきたいと思いますが、私の住んでいる佃第二コーポの場合、たまたま両方とも100uちょっとオーバーしているのですが、減額してもらった金額が、年間374,000円になりました。それなのに少し狭いからと言って、ゼロのところあるというのは、すごく不公平だと思います。 

●自治組織としての活動と自治体に対する要求をもっとひろげて●
 これがマンション問題に本格的に取り組んでないという大阪市の状態です。分譲マンションの管理組合の皆さんなり、入居者のみなさんの自治体、大阪市政に対する、要求というものが、署名や請願・陳情をだしていただくということが非常に少ないこともあります。陳情書はめったに出てこないです。先程もお話がありましたけれども、分譲マンションは個人の財産、私ども管理組合の資産やから、行政に物も言うような立場じゃない。あまり、そういう観点、問題意識がないんだという事であり、我々自身の内部の問題をなんだとという考え方が強いものですから、この10年間で分譲マンションの理事長さんとか、あるいは自治会長さんから上がってきた陳情書はたった2本です。こんどのプレイロットや集会所のことを契機にどんどん、行政に対する要求を出していただきたいと思います。京都市や神戸市など他都市と比べても遅れているという点から、この是正に向けて、皆様方から大阪市政あるいは、議会に対して、うんと、要求していただきたいなと思っている次第です。 

2.大阪市のマンション施策と他都市の状況
 ●今後の住宅施策の方向について(97年9月 大阪市住宅審議会)●
 
次に大阪市が、マンション問題をどう位置付けているかという事ですが、大阪市は今から4年前に大阪市住宅審議会が、住宅施策の基本方向について、答申を出したときに、わずか3行だけ書いてあるんですけど、分譲マンションのことはまともに取り上げていません。 

 ●大阪市マンション管理支援機構の設立(2000年度)●
 
しかし、我が党がどんどん議会で取り上げまして、昨年2000年度に「大阪市マンション管理支援機構」というのが設立されました。これは専門家団体に、公共団体あるいは民間事業者の団体なども集まって、行政がいっしょになって、分譲マンションの維持管理から、今後の課題について、調査、研究をして何らかの行政としての責任を果たすという立場、方向性をだしたものだという事で、私どもの闘いや要求が前進した形で「大阪市マンション管理支援機構」ができたものというように、受け止めています。こういう機構を通じても、分譲マンションに対する支援をさせていきたいと思っています。実は、今日の「交流・懇談会」に出席していただいて、大阪市の住宅局の平岡住宅政策課長から、大阪市の分譲マンションの皆さんに対する今後の施策のあり方について、ひとつ、ご報告願いたいと要請しましたが出席を断ってきました。 

●ゆとりと魅力ある分譲マンション居住の実現方策について(98年10月東京都住宅施策審議会)●
 
東京都の場合は、今から3年前に東京都住宅施策審議会が『ゆとりと魅力ある分譲マンション居住の実現の模索について』という審議会の答申を出しまして、かなり分厚い政策内容を持ってですね、分譲マンションの今後のあり方を支援する、地方自治体の東京都の責任についてですね、かなり明らかな方針を出しているんですが、そういう意味では、私ども大阪市の方は、遅れているという事を痛感しております。 

3.マンション対策の今後の課題と展望
 ●増加する分譲マンション●
 最後に、今後の問題ですが分譲マンションは、いわば6年前が阪神大震災、この大震災で分譲マンションが倒壊してから、マンション問題が注目されるようになりました。私ども西淀川区の佃でも、ある団地は、いわゆる液状化現象、地盤沈下によって、地下にあるものが、全部ダメになりました。公園は沈む、道路は割れる、不等沈下するから、ガス、水道、電気、下水、全部地下に埋めてあるものはダメになりました。建物だけが立っていたんです。それ以外は全部破壊されてしまいました。すべてが個人の財産として、まともにやれば15000万円くらいかかる被害だったんです。その後、行政の支援のあり方を私どももそれから、ずっと調査研究をしてきておりますが、ちょうど、バブルが崩壊してから、10年が経ちましたが、分譲マンションの建設のテンポからいえば、10年経った今日、約5倍になっています。だから、分譲マンションというのは、ますます増加していく傾向にあります。 

●建て替え時期をむえるマンション●
 同時に先程、高瀬さんから言われましたように、分譲マンションが20年、30年、40年という建て替え時期を多くのマンションが迎えるという時代ですので、新しい課題に向かって、真剣に取り組んでいかなければならないと痛感しています。
 それから、皆さま方自身が、分譲マンションの中での自治会活動、高齢化社会に向っての新しいマンションのあり方、また昔はペット飼うたらいかん言ってましたけれども、今ではペットを歓迎するそういうマンションが増えていると伺いますけれども、マンションが終の住みかとなるような、子育てが終わったら、どっかへ出ていこうかではなくて、そこが人生の最後のふるさととなって、そして高齢化社会を迎えても子供達もお年よりも、みんなが明るく楽しく住めるマンションづくり、こういう事で夢も希望ももって努力されていると思います。 

4.日本共産党と大阪市議団の分譲マンション問題の取組みの一層の強化のために
 日本共産党大阪市会議員団は、皆さんから、様々なご要望、ご意見聞いて、行政を通じて多様な要求の支援できるように頑張る決意です。
 今後とも、党議員団へのご支援をお願いいたしまして、市会議員団の取組みの大まかな所の報告をさせていただきました。どうもありがとうございました。