大阪市此花区

工場跡地の土壌汚染問題

 地下調査やり直せ  住民が市などに署名提出

(しんぶん赤旗 2001年8月5日)

 大阪市此花区の高見フローラルタウンのラサ工業の薬品工場跡地で発見された鉛、ヒ素などの重金属による土壌汚染問題で、すでに住宅が建っている地区の住民が、既入居地区の地下調査をあらためてやり直すよう求める912名分の署名を3日、大阪市住宅局と都市整備公団に提出しました。署名は1つの棟の自治会とその他の棟の有志で集めたもので、2つの棟では入居者の9割り以上の賛同を得たものです。
 都市整備公団などは、公団住宅を建設中の地区で見つかった土壌汚染については深さ10mまでのボーリング調査を行ったうえでコンクリート壁などで「封じ込め」を行うのに、同程度の地下土壌汚染が想定される「ラサ工業跡地の既入居地区」については2001年1月から4月にかけて「10cmの表土調査と対策」をしただけで済まそうとしています。
 住民は「10cmの下は重大な重金属汚染かもしれないと言った不安をかかえて暮らすことには耐えられない」との趣旨で、「既入居地区のラサ工業跡地全域での、地下土壌汚染の調査と対策を求め」ているもので、署名は大阪市住宅局・住環境計画課の中村孝一調整主幹と都市基盤整備公団・大阪市街地整備事務所の西村彰洋調整課長が受け取り、日本共産党の瀬戸一正市会議員が立ち会いました。
 大阪市住宅局は「たとえ10cm以下に土壌汚染があっても地下から表面に出てくることはあり得ない。より深い部分の地下調査はしない」という態度に固執しましたが、参加者からは「子供などがそれ以上深く掘ったりすることがあり、不安が残る」、「新規地区は深いところまで調査するのに、既入居地区はたったの10cmだけというのはどうしても納得できない」などの声が出されました。