敬老月間にあたり高齢者福祉の拡充を

市議団が市長申し入れ

(しんぶん赤旗 2001年9月3日)

 日本共産党大阪市会議員団は30日、9月の敬老月間にあたり、磯村隆文市長にたいし、高齢者福祉の拡充を申し入れました。申し入れには、姫野浄石川完爾長谷正子各議員が参加。健康福祉局の平田修一高齢者施設部長らが対応しました。
 姫野議員らは、「わずかな年金からも保険料が天引きされる」「利用料が高すぎて必要なサービスが受けられない」など、介護保険の矛盾がふき出ていること、高齢者の医療費自己負担を二割に引き上げるなどの「小泉医療改革」や福祉をいっそう切りすてる「大阪府行財政改革」が強行されようとしていることを指摘。市民の福祉に責任をもつ大阪市の責任がいっそう重要になっていると強調しました。
 申し入れは、「市独自の保険料減免の拡充」「利用料減免制度の創設」「特別養護老人ホーム待機者の早急な解消」などの介護保険改善、「介護保険からはずれた高齢者へのヘルパー派遣やデイサービス事業の拡充」「在宅老人介護手当の実施」「高齢者への家賃補助制度の新設」など、すべての高齢者を対象にする福祉施策の充実を求めるとともに、大阪府にたいしては老人医療費助成制度と老人医療費一部負担金助成制度の復活を、国にたいしては医療・福祉改悪の中止を求めるよう主張しています。  


2001年8月30日

大阪市長 磯村 隆文 殿

      日本共産党大阪市会議員団  

                         団長 姫野 浄

「敬老月間」にあたっての申し入れ

 今年も「敬老月間」をむかえました。
 周知のように、憲法は国民の生存権と社会保障への国の責任をうたい、老人福祉法は「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、健全で安らかな生活を保障されるものとする」と定めています。今日の日本を築いてこられた高齢者に、生きがいのもてる老後を保障することは、政治の大きな責任です。
 ところが、昨年からはじまった介護保険は、「わずか月2万円の年金からも保険料が天引きされる」「利用料が高すぎて、必要なサービスが受けられない」などの矛盾がふきでており、そのうえ10月からは、保険料が2倍になります。
 また、大阪市は昨年4月から老人医療費助成制度を、同8月からは老人医療費一部負担金助成制度を改悪し、国も今年1月から高齢者の医療費自己負担を増やすなど、医療・福祉の後退があいついでいます。
 さらに、高齢者の医療費自己負担を2割に引き上げる、すべての高齢者から保険料を取り立てる新しい医療制度を導入するなどの「小泉医療改革」や、府民福祉をいっそう切り捨てる「大阪府行財政改革」が強行されようとしています。
 こうしたもとで、大阪市には、社会保障制度の拡充を大阪府・国に求めるとともに、介護保険利用料の市独自の減免をはじめ、住民の福祉に責任をもつ地方自治体本来の役割を発揮することが強く求められており、その財源は、大型公共事業のムダと浪費を改めれば、十分に可能です。
 このような立場から、今年の「敬老月間」にあたり、以下の要望をおこなうものです。

1、安心できる大阪市介護保険へ、制度の抜本的改善を国に要求するとともに、自らの公的責任を果たす。
@ 保険料を住民税非課税世帯まで無料とするよう国に要求するとともに、市独 自の保険料減免を拡充する。
A すべての居宅サービスを、新規も含めて3%に軽減するよう国に要求するとともに、市独自の利用料減免制度を設ける。
B 特別養護老人ホーム待機者を早急に解消する建設計画を立て、実施する。
C 大阪市として、質の高い介護サービスを市民全体に保障する公的責任を果たすために、市社会福祉協議会による訪問介護サービスやデイサービスを復活し、充実する。
D 高齢者住宅改修費助成事業については、支援限度額と支給額を引き上げる。
E 第三者機関を認定等に対する苦情処理も対応できるオンブズパーソンへ充実させる。
F 施設での日常用品リース代など、自己負担の実情を調査し、施設に対して適切な指導を行う。

2、高齢者保健福祉計画の見直しをすすめるとともに、すべての高齢者を対象とする市独自の福祉施策をいっそう充実させる。
@ 介護保険の要介護認定から外れた高齢者に対するヘルパー派遣やデイサービス事業を充実させる。
A まだ実施していない「介護予防、生活支援事業」である外出支援サービスや訪問理美容サービスは早急に計画を立て、実施するとともに、低所得者に対する料金減免制度をつくる。
B 月5万円の在宅老人介護手当てを実施する。
C 高齢者への家賃補助制度を新設する。
D 「ペンダント式緊急通報システム」の協力者は行政の責任で配置するとともに、昼間、事実上「独居老人」となる高齢者も対象とする。
E 在宅介護支援センター事業の委託を医療法人や医療生協にも拡大する。
F 「宅老所」など、市民の自主的な取り組みに対する支援を強める。
G 地下鉄・市バスの敬老優待パスの交付年齢を「65歳から」に改善する。

3、老人医療費助成制度、および老人医療費一部負担金助成制度の復活を大阪府に求めるとともに、大阪市独自にも実施し、国に対しては医療・福祉制度改悪 の中止を求める。

以上