介護保険減免拡充を

700人超す保険料未納 姫野議員が採択主張

 9月17日開かれた民生保健委員会で姫野浄議員は、介護保険制度の改善・拡充を求める新日本婦人の会大阪府本部提出の請願書の採択を求め質疑を行いました。
 姫野議員は、介護保険実施後一年半が経ち、高い保険料、利用料の負担にたえられないために介護抑制が広がり、希望者が特養に入れないなど矛盾が噴出してきていると指摘し、大阪市はどのように認識しているのかと質しました。
 これには、健康福祉局の三歩一介護保険課長が「大きな混乱もなくスタートし、利用者も着実に増えている。保険料減免も8,871件扱った」と答弁。
 姫野議員は、「混乱なくどころか市役所や介護の現場には大変深刻なことが起きている」と、まず保険料滞納の問題を取り上げました。
 姫野議員は、2000年度保険料滞納者が26,000人もでており、2001年度は10月から満額徴収になると更に負担が増え、払えない高齢者がでるが、介護保険法で、その滞納が1年以上になると給付の償還払い(一旦全額自己負担)1年半以上になると給付の一時指し止めることになっていることは重大問題であるとして、抜本的に保険料の減免制度の拡充が必要ではないかと質しました。
 これに対し、三歩一課長は「市の被保険者の所得水準が低く減免制度をつくった。減免の申請を
PRしている」と答えましたが、姫野議員は市の減免制度には3つの問題点があるとして、@対象者が1人世帯で年収入96万円、2人世帯で収入144万円と低く生活保護基準(1人世帯144万円、2人世帯234万円)の6割しかない。大幅に減免基準額を引き上げる必要がある。A申請要件に扶養を受けておらずとか、活用できる資産を有しないとかのしばりをかけ、高齢者の人権にかかわる調査を行っているが、これは外すこと。B申請の制度を知らなかった人があとから申請しても遡及(さかのぼり実施)しないという冷たい取り扱いをしているが、これはやめてできるだけ救済すべきと、抜本的改善を求めました。
 姫野議員は、当面介護を受けている人で保険料が未納になっている人744人についてペナルティーの対象にしないように全力をあげて救済の対策をとるよう求めましたが、三歩一課長は「各区をあげて個別の対策をとる」と答えました。
 姫野議員はこの他、利用料の減免も実情にあった制度をつくる必要があること、特養ホームの待機者が昨年6月調査で1,351人であるが、その後増加しているのに建設がおくれていることを指摘。介護基盤が全くできていないもとで10月満額徴収は行うべきでなく政府に向かって大阪市の介護保険改善の要求を具体化するよう強く求めました。
 請願書の採択については、日本共産党が採択を自民、民主、公明が引き続き審査を主張し、多数で持ち越しとなりました。

議会 日時 付託委員会 請願・陳情名 質問者  各会派の態度
共産 自民 公明 民民 無所属
9
月市会
9.17 民保 介護保険制度の改善・拡充を求める請願書 姫野
○…採 択  △…継 続  ×…不採択  ▲…一時不再議  ■…審査不要  
 −…予算関連案件
 共産…日本共産党  自民…自由民主党  公明…公明党   民民…民主・民友大阪市会議員団  無所属
 財総…財政総務委員会  文経…文教経済委員会  民保…民生保健委員
 計消…計画消防委員会  建港…建設港湾委員会  交水…交通水道委員会