大阪市の市民の健康守る「危機管理」はずさん
雪印低脂肪乳食中毒症状事件で
日本共産党・石川莞爾議員に聞く
(しんぶん赤旗2000年7月1日)
テレビ、新聞で大きく報道されている今回の事件は、大阪市が30日午後5時に発表した数字でも、8府県で発生件数1,968という大きな広がりを見せています。
第1報は、6月27日の午前10時50分、市内の病院から大阪市の保健所(阿倍野区)によせられました。ところが、保健所が雪印乳業大阪工場に立ち入り調査をしたのは、翌28日午後1時30分、記者発表をしたのは29日の午後四時でした。この発表は当日の夕刊紙にはまにあわず、テレビ・ラジオで知らされましたが、夕方から夜にかけて、市民から各区保健センターへの連絡が相次ぎました。このことは、市民への機敏な周知で、市が後手に回ったことを示しています。
私の調査でも、大阪市の当局者は、「ここまで広がるとは考えていなかった」とのべています。梅雨どきだからこそ、普段以上に市民の健康には注意を払わなければなりません。牛乳は、赤ちゃん、病人、高齢者には欠かせない食品です。影響の大きさに配慮した機敏な対処が必要だったと思います。
こうした問題の背景に、今年の四月から、大阪市が多くの市民の反対の声を無視し、保健所の統廃合を強行した(市内一保健所、24保健センター体制)ことがあることを指摘せざるをえません。市民生活に密着し、各行政区の実情に明るい各区の保健所が確立していればもっと機敏で十分な対応ができたはずです。又、29日には、市議会で民生保健委員会が開かれていたのに、報告さえしなかったことも問題です。
今回の事件を教訓に、市民の健康を守るとりくみを一層強化する決意です。