市介護保険事業の充実など求め見解表明
2000年3月1日 矢達幸議員が補正予算に賛成討論
私は、日本共産党大阪市会議員団を代表いたしまして、1999年度大阪市一般会計第4回補正予算案に対し、賛成する立場から見解を表明いたします。
今回の補正予算の一つは、介護保険実施一ヵ月後に控えて、制度の大きな矛盾から、そのまま実施できず、第1号被保険者の保険料徴収を半年間延期し、その後一年間半額にする財源として国庫補助金171億6513万2千円を大阪市が受け入れ、Γ介護保険円滑導入基金」を設置して、蓄積するという内容であります。
この補正予算案には賛成でありますが、我が党は先月22日、国民負担を軽減するための介護保険法改正案を参議院に提出いたしました。利用料の低所得者減免、介護基盤の整備を集中的にすすめる間の臨時措置として2000年度の保険料徴収延期、現行25%から50%への国の負担率引き上げ、などを柱とするものであります。こうした立場から、大阪市介護保険事業の問題を2点指摘しておきます。
低所得者対策と介護基盤整備の充実は国とともに市独自の責務
その第1は、低所得者対策の問題であります。
現行の制度のままで実施するならば、低所得の方には、高い保険料が暮らしを直撃し、その上、高い利用料が払えないため、介護サ―ビスから締め出される人が続出することは明らかです。何としても低所得者に対する保険料、利用料の減免制度を、市独自にも創設するべきであります。
そして第2に介護サービスの不足についてであります。
特別養護老人ホームの入所待機者は、4800人にものぼり、この方がたにとっては、まさに「保険あって介護なし」となってしまいます。
この二つの矛盾は、保険料徴収延期期間内にどうしても、解決しなければなりません。
ところが、小渕、自自公内閣はこの一年半の間の解決策を、なんら示しておりません。これでは、問題を先送りをするだけであり、総選挙目当ての党利党略のそしりを免れません。
大阪市として、この間に、改めて国に対して低所得者対策と介護基盤整備の充実を強力に求めて行かなければなりません。また、たとえ国が実施しない場合でも、大阪市独自で、矛盾の解決をはかる責務があることを申し上げておきます。
また、「介護予防拠点整備事業」、および、国の特別保証制度の継続と信用保証協会の体力強化のための「信用保証協会出捐金の追加」についても賛成であることを申し添えておきます。
住民の声にこたえることこそ地方自治体の責務
なお、今回の補正予算のうち、23億円の「街路事業の追加」については我が党は反対であります。これは都市計画道路・淀川南岸線や阪神高速道路・淀川左岸線を新御堂筋線にランプでつなぐために、北区豊崎6丁目付近の道路予定地を、阪神高速道路公団の予算26億円と手分けして買収するための予算であり、これによって1968年に事業認可を得て以来ストップしていた淀川南岸線と、1996年に都市計画決定された高速道路・淀川左岸線2期分の建設が事実上スタートするのであります。この二つの道路については、1971年以来30年近くにわたって住民運動を続けて来た北区の中津コーポ住民や周辺にお住まいのみなさん、福島区の淀川左岸線に反対する住民のみなさんが集まって「淀川左岸の公害道路建設に反対する沿線住民連絡会」を結成し、道路公害持ち込みや、淀川堤防と河畔の貴重な自然が破壊されることを懸念し、今なお大阪市に話し合いを求め、建設強行には反対しているのであります。
沿線住民からは、「淀川左岸線は高速道路本体には『フタかけ』がされたとは言え淀川堤防の上に高さ40メートルもの換気所を5本も立てて淀川の景観を台なしにする」、「脱硝装置取り付けが約束されておらず自動車排気ガスは周囲に拡散させるだけ」、「都市の中にこれ以上車を増やす高速道路建設は見直しをせよ」、「淀川南岸線は『生活道路』と説明しながら、実際には新御堂筋線から淀川堤防沿いに直線で国道2号線の淀川大橋南詰めにつなぐなど、大量の通過交通道路となる」、「沿線住民の健康や淀川に飛来する貴重な渡り鳥など周辺の動植物や自然に重大な悪影響をもたらすものだ」との多くの厳しい批判の声があがってるのであります。
こうした住民の声にこたえることこそ地方自治体の責務であることを指摘し、私の見解表明といたします。