“30人学級の展望示して”

   大阪市議団   市教委に申し入れ
               
(しんぶん赤旗 2000年8月12日)

 日本共産党大阪市議会議員団は11日、大阪市教育委員会(徳矢典子委員長)に対し、「少人数学級への展望を示すなど実効性のある『教育改革』を求める」申し入れを行いました。
 その内容は、同委員会が進めている「大阪市教育改革の基本方針」の策定にあたって、拙速に陥ることなく、教育現場の切実な声である「三十人学級」の実現を展望し、子どもがのびやかにすごせる教育条件の整備、教育内容の検討など実効性のある「教育改革」をすすめるために、教師、児童生徒、保護者、地域関係者との十分な協議を行うよう求めています。
 申し入れは、日本共産党大阪市議会議員団を代表して、せと一正小笠原正一両議員が行い、大阪市教育委員会の四宮良三指導部長が応対しました。
 申し入れに対して四宮部長は、「22日に予定されている会議で議案として承認を受け、二学期にには各学校現場におろしていきたい。引き続き『プログラム』の策定をすすめていく。その段階で学校長、PTA等からのご意見をお受けしたい」と語りました。

                                       2000年8月11日

大阪市教育委員長 徳矢典子 殿

                                日本共産党大阪市会議員団
                                   団長 姫野浄

  少人数学級への展望を示すなど実効性のある「教育改革」を求める申し入れ

 さる8日、大阪市教育委員会の会議が開かれ、「大阪市教育改革の基本方向」(未来にたくましく生きる「なにわつ子」の育成をめざして)についての「中間報告」があり、一定の議論が行われました。
 この会議における各委員の発言にも、「全体としてもっと簡単な方がよい。その方が、焦点がはっきりする」「標題の副題について、『たくましく生きる』となっているが、『逞しく』とは、肉体的なものを表現する言葉である。強者の論理に結びつかないか」「『友情、葛藤、忍耐』という文言があるが、わかりにくい。文書上も整理が必要」「『ノーマライゼーション』という言葉は一般にはなじみがうすい」「『学校』、『家庭』、『地域』の本来の役割は何か」「『家庭のしつけ』の内容が明らかでない」等、さまざまな意見が出されていました。しかしいずれも個々人の意見であって、広範な市民の教育要求が反映されておらず、全体としての集約や合意がなされた様子はありません。しかも、焦眉の課題である学校教育そのものについて、「どういう方向をめざすのか」の論議が全くなされていません。
 いま、大阪市の教育に求められているのは、子どもがのびやかにすごせる教育条件の整備、教育内容の検討などです。そのために、「大阪市教育改革の基本方向」の中に、少人数学級への展望を示し、教育委員会自らが率先して「大阪らしさ」を発揮し、広範な議論が必要であります。
 すでに、全国の半数近い約1500の自治体が「30人学級」などを国に求める意見書を採択しており、大阪市会においても「学級編成基準の弾力化に関する意見書」を全会一致で採択しています。また、首相の私的諮問機関である教育改革国民会議でも「24人学級が理想」と述べており、いまや少人数学級実現は教育現場の切実な声であるだけでなく、国民的な世論です。
 以上のことから日本共産党大阪市会議員団は、21世紀の第一歩となる教育のあり方を示すべき「大阪市教育改革の基本方向」について、拙速に陥ることなく、実効性のある「教育改革」を進めるために、教師、児童生徒、保護者、地域関係者との十分な協議を重ねて、よりよいものに練り上げていくことを強く要望するものです。
                                              以上