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市営地下鉄の経営形態 見直す必要ない

市政改革特別委員会で下田敏人議員(しんぶん赤旗2006年7月30日付)

下田敏人市会議員

2006年7月24日

 大阪市会の市政改革特別委員会が7月24日開かれ、日本共産党の下田敏人議員は、大阪市の高速鉄道事業について質疑しました。

 下田議員は、關淳一市長が「市営地下鉄の完全民営化も視野に入れて考えたい」としている問題について、大阪市の地下鉄は昭和8年に営業を開始して以来、営業距離はニュートラムをあわせ122キロメートルを超え、開業が目前に迫っている8号線もその延伸も求められるなど、今や都市生活にとって必要不可欠な都市インフラになっており、今後とも、公営企業として、しっかりと市民の足の利便をはかり、自動車交通の弊害を緩和するとともに、つり合いのとれた街づくりに貢献すべきと主張しました。また、日本ではヨーロッパのようにトンネルなどのインフラは税金で、運営は料金でという考えが定着しておらず、特に、1990年以前は、ほとんど企業債の発行に頼って建設してきたため、企業債支払い利子や減価償却費など、資本費が巨額にのぼること。しかし、それにもかかわらず平成17年度は、132億円もの経常黒字をだす見込みであり、減り続けていた乗客もプラスに転じていることなどを明らかにした上で、地方公営企業法でいう公共性と経済性のバランスがとれており、これでなぜ経営形態の見直しが必要なのかとただしました。これに対し市長は、「時代は急速に変わりつつあり、どういう形がいいか、今考えなければならない」などと答えるにとどまりました。

 下田議員は、市長は、民営化ありきで、地下鉄事業の現実から出発していないと批判するとともに、公営交通事業協会が、「公設民営化」は地方自治法上、困難としていること、「完全民営化」は、企業債や特例債の一括返済が条件など、更にハードルが高いことも示し、どこから考えても経営形態の見直しの必要性は出てこないと強調しました。