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交通事業の「株式会社化」シュミレーションを厳しく批判

交通水道委員会で関根信次議員

関根信次市会議員

2006年12月15日

 十五日、大阪市会交通水道委員会が開かれ「大阪市交通事業の『株式会社化』シュミレーション」の結果報告が行われ、日本共産党の関根信次議員は「百年の歳月をかけて築いてきた都市インフラで市民の貴重な財産を放棄しようとするもの」と厳しく批判しました。

 このシュミレーションは市営地下鉄、市バスと運輸振興公社などの四つの管理団体を一括して株式会社に転換することの可能性を推測したもので、「株式会社化は可能」との結論を出しています。ところがその前提は「公営企業法で運営されている交通事業」を「商法や証券取引法で利潤追求のために運営されている株式会社」に転換しようとするもので数々の矛盾と無理が露呈しています。

 例えば交通局の八千億円の起債を株式会社が引き継ぐ際に、その会社が金融機関から八千億円を調達して大阪市に一括返還して、大阪市が政府と民間金融機関に一括返済するというもので、このようなことが法的特例としてたとえ認められたとしても、そのような資金調達ができる会社が設立可能かという事があります。

 しかも交通事業が受けている国や大阪市からの補助金などを株式会社になっても続けると言うのですから、国と大阪市が株を買うという形で補助を続けることが前提となり、これは現実に不可能なことです。まして「財政危機打開のための交通事業民営化」を言ってきた大阪市にできよう筈のない事態を招くことになります。また利潤追求のためにバス事業の「切りわけ」による大合理化など公共性は後景に押しやられることは必至です。

 関根議員は、このような矛盾を指摘し、「このシュミレーションは結局、完全民営化を強要する上山構想にくみするものだ」と指摘し、市政改革委員会委員長の上山氏が自らのホームページで「大阪市の地下鉄は黒字だから民営化が可能であり、そうなれば銀行が列をなして融資に応じるだろう」としていることを紹介し、「強欲な財界の地下鉄乗っ取りの論に与すべきではない」と主張しました。

 また同議員は関淳一市長に「市長の祖父である関一氏は大阪市が主導的立場で御堂筋や地下鉄などの都市基盤を整備して、今でも各方面からその実績を評価されている。今、財政危機だからとこの成果を無駄にすべきではない」と指摘。市長は「行政にスピード感が必要だが稚拙な判断はしない」と答弁しました。

(しんぶん赤旗:2006年12月19日付)