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敬老パス有料化

大阪市議会委で北山氏の質問に

 橋下市長“歩けばいい”

北山良三市会議員

2012年5月23日

 昨年の大阪市長選挙で公約した敬老パスの維持をふみ破り、有料化を打ち出したことを市議会で追及された橋下徹市長が、「歩くことで健康になる人はいっぱいいる」と暴言をはいたことに、市民から批判の声があがっています。

公約違反を合理化

 23日開かれた市議会民生保健委員会でのことです。敬老パスの有料化を打ち出した「市政改革プラン(素案)」について、日本共産党の北山良三市議が「有料化で高齢者の外出の頻度が落ちれば健康のレベルが下がり、自立していた高齢者の介護や医療にかかる費用を増加させる要因になり、街の活力も影響を受ける」と無料継続を要求しました。

 橋下市長は「地下鉄に乗らずに歩くことで健康になる人はいっぱいいる」と答弁し、さらに、自身が住む豊中市や八尾市では敬老パスを持っていない高齢者が「みんな元気に歩いている。1駅分2駅分敬老パス使わずに、なければ歩いて行こう」と強弁しました。

 市長選で、橋下・「維新の会」は「だまされないで下さい」「敬老パスはなくしません。敬老パス制度を維持します」と公約し、「敬老パスは、市民の税金で利用料金を支払っているため民営化してもなくなりません。さらに高齢者にとって便利なものとするために私鉄でも利用できる制度にします」と書いたビラを配布し、商業新聞に折り込みました。

 北山議員が、黒字の地下鉄会計から利益の状況に応じて一般会計に納付できるという法律の仕組みも活用できると迫ると、橋下市長は「こんな法律があるからおかしい」と開き直りました。


社会参加妨げる (全大阪生活と健康を守る会連合会事務局次長 秋吉澄子さん)

 橋下市長は、他市に比べて、市の財政負担が多いものを「ぜいたく」と決めつけ、切り捨てようとしていますが、敬老パスの利用で高齢者が社会に参加しやすくなり、健康になれば医療費も結果として減って、経済効果も上がります。

 “地下鉄に乗らずに歩くことで健康に良い”と言ってはばからない橋下市長の発言は、敬老パスを取り上げて70歳以上の高齢者に地下鉄で移動する距離を歩けと言っているのに等しいとんでもない暴言です。

 交通機関を利用することで移動がかなう高齢者も多い。現状で存続をさせてほしい。


弱者の視点ない (全日本年金者組合大阪府本部書記長 永井守彦さん)

 橋下市長の発言は、言語道断以外の何ものでもありません。敬老パスが高齢者の生きがいであり、にぎわいをつくり、街の活性化にもつながっている制度だということが分かっていないし、高齢者の置かれている状況が何も分かっていない。

 橋下市長は弱者に対する視点が全くない。そもそも橋下氏の選挙公約は「敬老パスの継続」で有料化は公約違反です。橋下市長のうそつきに高齢者は本当に怒っています。私たち年金者組合は敬老パス有料化を撤回させるまで頑張ります。

(2012年5月25日付しんぶん赤旗)