title

岩崎けんた市会議員

2016年12月8日

写真 日本共産党の岩崎けんた市議は、12月8日の財政総務委員会で、所得税法第56条の廃止を求める陳情の採択を求めて質疑しました。

 所得税法第56条は、中小業者の配偶者や子どもなど、個人事業者と一緒に働いている家族従業者の給料を必要経費として認めない規定です。家族従業者がいくら働いてもただ働きとし、事業者の所得からは、白色事業専従者控除として、配偶者は86万円、子どもなど家族は50万円を上限に控除されるだけです。世界の主要国では、家族従業者の人格・人権、労働を正当に評価し、その働き分を必要経費に認めています。

 陳情は、大阪商工団体連合会婦人部協議会から署名7868名分とともに提出され、所得税法第56条の廃止を求める意見書を市議会から国へあげてほしいという内容です。

 岩崎議員は、「所得税法第56条は、戦前の家父長制度の廃止により個人単位を原則にしたことで、家族間で所得を分散し、累進課税を逃れる租税回避的な行為が横行することを防止するという趣旨で制定されたが、2011年度の税制改正で、2014年1月から全ての事業者に記帳が位置づけられ、租税回避の恐れを理由にする根拠はなくなった」と指摘しました。

 また、岩崎議員は、2009年3月に与謝野金融担当大臣が「56条は研究しなきゃいけない」と国会答弁したことを出発点に、2010年12月の第3次男女共同参画基本計画の中に、女性が家族専従者として果たしている役割を重要視し、所得税法の検討が盛り込まれたことなどを紹介しました。

 岩崎議員は、今年3月に国連女性差別撤廃委員会から出された最終見解で、「所得税法が女性の経済的独立を妨げる影響がある事を懸念する」と所得税法の見直しを検討することを政府に要請したことについて、「重く受けとめなければならない」と指摘するとともに、最近の国会で、「男女共同参画会議において必要な調査審議を」という答弁や、いま大阪市が意見募集している新たな男女共同参画基本計画第二次計画の素案に「女性が家族従業者として適切に評価されるよう」にと、所得税法の検討に触れた項目があることなども紹介し、「所得税法第56条は時代に合わない」、「家業を支えて専従で働いているお母ちゃんや息子さん、娘さんの働き分を認めないのは、人権を踏みにじる大問題だ」と強調しました。

 陳情は、維新、自民、公明により継続審査となりました。

(2016年12月8日)