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一般決算委員会での校則問題についての

山中議員の質疑(要旨)

山中智子市会議員

2022年11月10日

※一般決算員会での質疑を、議員団事務局で文字起こししたもので、正式な記録ではありませんのでご了承下さい。

山中委員

 まず最初に私は教育委員会さんに校則問題についていくつかお伺いをしたいというふうに思います。最近大阪府立高校で髪の毛を黒く染めるように強要された被害に対する裁判、この辺りが大きなきっかけになったんだと思いますが、校則問題がかなり大きな問題になっています。

 マスコミでもブラック校則として、しばしばいろんな形で取り上げられるようになって、最近つい先日ですけど、眉毛の産毛をちょっと抜いた子が三日間停学って言うね。眉毛をちょっと抜いて誰に迷惑かけるのかと思うんですが、まだこういうことがまかり通っている。こういうことについてお伺いしたいと思います。

 私も時々この校則問題でのご相談をお受けいたします。校則はやっぱり教育活動の一つなので、やっぱりあくまでも学校が決めていかれることだろうというに思っていますので、なるべく介入はしたくないと思っていますが、しかしこれは本当に人権に関わることとか、健康に関わる事っていう場合がありますので、学校が決めることだからといって見て見ぬふりをするわけにはいかないという場合があって、学校と一緒に話し合ったりさせて頂いています。

 先日ですね、これは今もまだの女子はスカートっていう学校たくさんありますが、今年度から女子もスラックスでいいということになったということを聞いて、スラックスを買って登校したこのお家に、担任から電話かかってきて「LGBT の問題抱えてるんですか」って。「そういう子しか認めてないんです」って。そう言われたっていうそういうご相談がありました。あまりにも酷いと思いまして、教育委員会さんにも入っていただきながら、学校とも話し合いましたら、学校はこれは本当幸いにも、本当に認識がひどかったと、申し訳ないということで校則をすぐに変えていただきました。

 私のイメージでは校則って生徒手帳にびっちり印刷をされていて、簡単には変わらないものだとふうに思っていたのが、こういうことでちゃんと指摘を受けたらパッと変えることができるということに非常に驚くとともに、当たり前かもしれないなって時代の流れとともに変わっていかなきゃいけないものだからっていうことも思ったりしました。

 お聞きしますが、そもそも校則っていうのは何かの法令に基づいて規定されているのでしょうか。また国会等でもこの間ずいぶん議論になっていると思いますが、国は校則についてどのような見解を示しているんでしょうか。

 

中道初等・中学校教育担当課長

 校則は、学校が教育目標を実現していく過程において、児童生徒が遵守すべき学習上生活上の規律として定められるものでございます。法令の規定は特にございませんが、判例では学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲内において、校則を制定し、児童生徒の行動などに一定の制限を課すことができ、校則を制定する権限は学校運営の責任者である校長にあるとされております。

 また、文部科学省は校則について学校を取り巻く者会環境や児童生徒の状況は変化するため、校則の内容は児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか絶えず積極的に見直さなければならない、との見解を示しております。以上でございます。

 

山中委員

 法令には特に規定はないと。今のご答弁によればあくまで必要かつ合理的範囲内での一定の制限を課す。それ以上でも以下でもないわけですよね。だから眉毛ちょっと、産毛抜いて何なんだって本当に思いますけれども、つまり今は子どもたちが安心して学校で過ごせるための最低限のルールであるはずのものが、ずいぶん今違ったものになってしまってる学校が多いのも事実だというふうに思います。

 それがいいかどうか分かりませんが、確かに学校が一定時期荒れる中で、それをなんとか抑えるためにも次々いろんな決まりを作った地域とか時代があったと。これはこれで事実なんだと思いますけれども、今ご答弁にあったように、国も児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の実情、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、これはやっぱり絶えず積極的に見直さなければならないということに、今もはっきりなってるわけですよね。

 そうなっていくために、教育委員会も学校と一緒にもちろん決めるのは学校ですけども、学校と一緒に頑張って欲しい。私たちも頑張りたいと思うんですが、大阪市での取り組みはどうなっているでしょうか。

 

中道課長

 今年度より新たに実施しております、大阪市教育振興基本計画では、校則については時代の変化や社会通念に照らして、必要かつ合理的なものとなっているかなどの観点から、積極的に見直しを行い児童生徒が自主的に守るように指導を行っていきます、と示しております。

 教育委員会と致しましては、今年度4月には校則の見直しについては、学校協議会や PTA などの意見も取り入れながら、速やかに取り組むようにと通知をしております。

 さらに令和4615日付けで校則の点検及び見直し公表等について、を通知しております。その内容につきましては、学校や地域の状況、社会の変化を踏まえて校則の意義を適切に説明できないような内容及び表記はないか。様々な文化や性の多様性、健康上の配慮が出来ているか。児童生徒や保護者等の学校関係者からの意見をふまえた内容及び表記となっているか、の三観点を例示し点検見直しを行い、速やかに学校ホームページへ掲載することとしております。

 現在各校が実情に応じ点検見直し作業を行い、ホームページへの掲載に向けて準備を進めているところでございます。以上でございます。

 

山中委員

 本当に、指導・助言、行政として出して頂きたいと思うような通知を出して頂いたっていう点ではほんとうにありがたい、変な言い方ですけどそんなふうに思います。学校任ではなくって、やっぱり通知を出して、今3点おっしゃいましたね、学校や地域の状況、社会の変化を踏まえて校則の意義を適切に説明できないような内容及び表記はないか、たくさんまだありますよね、本当にあります。いくつかの学校の校則見ましたけど。

 それからさまざまな文化や性の多様性、健康上の配慮が出来ているか。まさにできていないご相談、今私一つ抱えてますけども。それから児童生徒や保護者等の学校関係者からの意見をふまえた内容及び表記となっているかと。こういうことで点検しなさいという通知を出して頂いている。これが点検が進んで見直しが進んで、仰るとおりホームページでも公表されていけば、これやっぱりいい内容でなければ公表できませんから淘汰されていくんだろうなぁと、見直しが絶えず続いていくことは期待したいというふうに思います。

 ただ遅すぎませんかって思うわけですよ。去年も文科省からはそういう通知がきてて、一旦教育委員会も通知を出して、今も出してもうだいぶ経つのに、未だにそのまさに、もう説明できないような内容だとか、文化や性の多様性とか健康上の配慮なんて欠いた、そういうもののない校則がいくらでもまだあるって言う点でいくと、もうちょっと背中を押していただけないかなと、学校の。

取り組み途上の問題でもありますし、色んなお考えお持ちの方が地域にもおられますから、学校の自主性を大切にしながら子供の声を一番大事にしながら、そして地域の皆さんの合意形成をしながらっていうのは本当に時間はかかると思いますが、機が熟するしていくのを待っているだけではね、やっぱりちょっと遅れてしまうんじゃないのかなというふうに思います。

 今この瞬間にも、そういうその性的マイノリティの方で自分の性自認を否定されて苦しんでいるお子さんとか、健康上本当にこういうこと配慮してほしいのにしてもらえないで苦しんでるお子さんとかが、今この瞬間にもいる以上は、もうちょっとこう背中を押すようなムーブメントみたいなものがないかなと思うんですがいかがでしょうか。

 

中道課長

 先ほども申し上げました通り、文部科学省は校則について児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、者会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか絶えず積極的に見直さなければならないものと見解を示しております。

 また教育委員会と致しましては、児童生徒の個別の状況の違いも踏まえ、引き続き児童生徒、保護者等から丁寧に意見を聞いて対応するよう周知に努めて参りたいと思います。以上でございます。

 

山中委員

 ぜひ早く広く周知していただきたいし、私たちも子どもの幸せにとっても本当に大事な問題ですのでね、一緒に考えていきたいと思います。

 繰り返しますが、これはもう先生や学校だけで決めることではなくって、とりわけ生徒会などの自主的な声だとか、地域の皆さんの声も聞くことも必要だというふうに思います。

 同時にこれは申し上げておきたいんですが、学校の環境とか条件ということも大事だと思うんですよね。私ご相談いただいた時に、たまたまその学校に知っている先生がいらっしゃったので、こんなご相談があるんだけどどうでしょうかともちかけましたら、とてもじゃないけど自分はそんな事について物を言える空気はないって。すごく声の大きい先生がいて、ガーって決まって行くので怖くてモノが言えないっていうふうに言われました。

 やっぱり生徒や先生が自由にモノが言える雰囲気づくり。これはやっぱり学校にとって大事なんだろうなと。校則の事が一つ考えてもね。合わせて校則のこと考える上でもね、多忙化もこれ大きな弊害だというふうに思います。忙しすぎて校則の見直しの時間なんてって、多分学校は思っておられる可能性もありますし、子どもの権利条約の内容を学んだり、あるいはの先ほどの「LGBT の問題抱えているのですか」って電話ができるって言うことは、よほど情報に遅れてると思います。だから性的マイノリティの権利などの、最近の人権状況の情報を得るような時間もなくって、もう必死で毎日のことをこなしておられるっていう、そんな姿も浮かんできます。

 そうやって市民社会とズレていってしまっているという、こういう現実もあるのではないかというふうに思います。学校が自由にモノが言える環境づくりとか、多忙化の改善、こういうことも不可欠だと申し上げましてこの問題・質問は終わらせて頂きます。有難うございました。