title

矢達幸市会議員が、国道43号線の沿道環境改善と

イケヤツルハマ及び中山エコメルトリサイクル事業の

環境影響評価報告について撤回を求める質疑を行なう

矢達幸市会議員

2006年12月11日

 12月11日開催の環境対策特別委員会で日本共産党の矢達幸市会議員は、まず国道43号線の沿道環境対策強化と高速料金無料化を求め質疑。矢達議員は43号線沿道では深刻な環境問題が続き、改善に向けた社会実験が実施されてきたが結果はどうかと質問。市は阪神高速西大阪線の料金を割引き、43号から阪神高速へ車を誘導する実験は、平成16年度は11月から12月までの4週間、高速の安治川出入口から大正西出入口区間の大型車料金400円を200円に半額にした。結果は平均日当り約200台が阪神高速へ転換。平成17年度は期間を4週間から2ヶ月に延長、料金割引車種を大型車と普通車に広げ、高速の安治川出入口から大正西出入口の区間で、11月から12月までETC装着車の大型車両料金400円を200円に、小型車両料金(普通車)200円を100円と半額にした。結果は43号線からの転換が月平均・一日当り小型車で約300台、大型車で約120台、渋滞事情は概ね約2割から3割の減少。大気汚染濃度の削減率推計は窒素酸化物で約0.5%、浮遊粒子状物質で約0.6%程度削減であった。平成18年度は範囲を拡大、天保山から神戸の住吉浜、六甲アイランド北出入口までの高速湾岸線を対象区間としETC装着の大型車の通行料金を半額とする実験を6月12日から8月11日まで2ヶ月間行い。大型車がどの程度、湾岸線に転換されるのか調査した。現在分析中で今年12月末に取りまとめすると答弁。

 矢達議員は交通量では一定の効果があるが環境改善は気象条件等もあり不明である。今後の計画はどうかと質問。市は、次年度以降の社会実験はまだ未定。43号の環境改善は解決すべきと認識しており今後とも有効な社会実験や改善施策を国など関係機関に働きかけたいと答弁。矢達議員は43号線は構造上の問題がある。3車線が一気に1車線になるボトルネックだ。解決は阪神高速西大阪線の無料化以外にない。市は関係者協議で市民の代表として大いに主張し、強力に国に働きかけ無料になるように頑張ってほしいと要望。

 次に矢達議員はイケヤツルハマと中山エコメルトリサイクル事業の環境影響評価報告について質疑。まず、イケヤツルハマについては、大正区民の足はバスだ。だから交通渋滞は致命傷である。イケヤは集客力があり千葉県船橋市の来客自動車台数は7千台。大阪市内では背後人口も大きく相当な台数が予想される。駐車場は2千2百台とあるが、それ以上の車が押しかけた場合どうなるかと質問。市は来客台数の設定はイケヤフナバシ店の開業後3ヶ月後の日曜日を根拠としている。通常時は7千台以下と予測。専門委員会からは2点の指摘があった。一つはシャトルバスの適切な運行や公共交通機関への転換で来客車両抑制を図る。2つ目は供用後の施設関連車両の実態把握を行い交通抑制の追加対策を行なうことと答弁。

 矢達議員は臨時駐車場はいつまでも確保できない。車が溢れたらシャトルバスも通れないし鶴町は一旦渋滞が起きると陸の孤島のようになる。大正区のこうした場所に施設を作るのは間違いだ。その上、今後5.5haの空地がありそこも市は大量の集客施設、商業施設等を計画していると批判。矢達議員は大正区において車の賑わいはあっても街の賑わいにならない。大量集客施設を作るのは商店街等の空洞化につながり反対だと強く意見を述べました。

 続いて中山エコメルトリサイクル事業について矢達議員は、会社はこの施設が循環型社会の構築に貢献するとものと公共的位置づけを主張しているが、この事業は廃自動車シュレッダーダストを受け入れ、処理費用はユーザー負担、さらに排熱利用で電力を起こし関電に売って金にする。つまり営利であり公共性は無いと指摘。市は民間の事業であり営利事業だが、循環型社会に向けての一役を担う社会的な役割は持っているものと認識していると答弁。

 矢達議員は、この事業は2004年の中古車リサイクル法から始まり、我が党は欠陥法だと指摘した。自動車は本来、メーカーが責任をもってリサイクルすべきで、デポジットなどヨーロッパでは常識である。しかし日本の廃自動車リサイクル法はメーカーに責任を持せず、鉄を取除いた後はシュレッダーにかけダストを燃焼させ処理するという考えだ。ダストにはいろんな物が含まれ、熔融炉で燃焼することで大量のダイオキシンが発生する。処理はどうするのかと質問。市はダイオキシンは燃焼室で900から1000度で燃焼され分解、さらに燃焼したあと減温塔で排出ガスを急激に急冷しダイオキシン類の再合成を防止し、残る微量のダイオキシンはろ過式集塵機で除去され触媒反応塔で酸化分解すると説明。

 矢達議員は事業者報告を鵜呑みにしていいのか。企業の営利と安全は相反する。ダイオキシンだけでなく環境ホルモンなど地球環境に悪い未解明なガスが排出される。焼却は控えるべきというのが世界の流れである。また地球温暖化が問題となりCO2削減が叫ばれているが、熔融炉と普通ゴミ焼却炉の発生量はどちらが多いと考えてるかと質問。市はシャフト炉式ガス化熔融炉はコークス用いて廃棄物を処理するため、排出されるCO2の量は焼却のみの場合より増加するが、排熱を利用して発電を起こすので、発電による二酸化炭素の削減効果を差し引くとコークスによる二酸化炭素排出量を上回るか同程度だと説明。矢達議員はCO2の削減は同程度というが、結局、焼却するのでCO2は新に排出される。もう焼却で処理することは控えるべきだ。さらに熔融炉は安全性でも問題がある。新しい技術、未開発の技術で各地で事故も起きている。安全性はいまだ検証されていない。何百トン、温度1800度という高温の熔融炉が事故でも起こせば大変なことだ。ぜったい安全だという安心神話は危険だ。類似施設は北九州のエコタウンにあるが、そこは大阪で言えば夢洲の端みたいな場所で人里からも離れている。大阪市では工場周辺に西成区、大正区などの住宅を抱えている。このような場所での設置は許されないと強く反対意見を主張しました。