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中山エコメルトリサイクル事業について質擬 環境対策特別委員会で尾上議員 |
尾上康雄市会議員 2007年6月28日 |
6月28日開かれた環境対策特別委員会で尾上康雄市会議員は、(仮称)中山エコメルトリサイクル事業について質擬しました。 尾上議員は専門家も交えて6月中旬に中山エコメルトの社長や関係者と懇談しましたが、ますます本事業への疑問がわいてきたと、大気環境汚染の問題と地域住民の健康や命にかかわる問題について厳しく市に問いました。 中山エコメルトリサイクル事業計画は、廃車した自動車シュレッダーダスト、建設混合廃棄物を中心とする産廃をガス化溶融炉で処理し、その工程から発生する熱エネルギー、蒸気を親会社である中山製鋼に売却後電力に変え中山製鋼で使用する。また、銅を多くの主成分とするメタル、及びスラグを回収、リサイクルし残りの固形物は産廃として産廃業者に、水は廃水処理して公共下水道に、排ガスは煙突から排出するという内容で、現在『環境影響評価書』が作成され縦覧(2007年7月2日まで)しています。 尾上議員は、「事業所の立地地域である大正区の平尾小学校で測定した2005年度の二酸化窒素濃度の年平均値は27ppbであり、大阪で最も低い交野市役所の10ppbの2倍以上高く、ぜん息、肺ガン、環境ホルモン等の健康影響が専門家からも指摘されている。ディーゼル車排気ガスに含まれる浮遊粒子状物質(SPM)濃度の年平均値も府域測定局中最高になっている」。また「児童生徒のぜんそくの罹患率は1970年以降増え続け、2006年度と比較すると幼稚園で1.6倍、小学生6.8倍、中学生17.1倍、高校生73.4倍に急増し、大正区はすでに深刻な環境悪化、大気汚染地域で、これから排出される空気、水、産廃等付加物がさらに住民の健康、環境に影響を与えることが十分想定される」とし、「環境影響評価書はこうした住民の不安の声に全く応えていない」と厳しく大阪市の見解をただしました。 環境局の西山環境管理担当課長は、新しい事業なので試運転等結果をもとに管理目標値を設定しより低い濃度で日常管理するよう事業者にも求めていくと答えました。尾上議員は、「なんでもありの産廃で何が出てくるかわからない。全国では水俣病や杉並病など想定外の被害もひろがっている。現在稼働している北州市若松にある施設の情報提供など、住民に安全性を知らせることも必要だ」と要望。市当局は、住民にもできる限り情報提供をしていきたいと答えました。 また、尾上議員は工場の煙突から排出される排ガスは約半径1q内に届き、大正区でも住之江区でも住宅密集地域に24時間降り注ぐことになると資料を示して指摘。他にダイオキシン対策や温暖化の問題、サーマルリサイクル(廃棄物の可燃物を燃焼させ発生する熱を回収し、発電や給湯等を行うリサイクル)の効率性など、多岐にわたって疑問や問題点を指摘し、最後に市長の見解をただしました。 関市長は、「本市の意見や住民の意見に基づいて作成された事業者からの『環境影響評価書』を現在縦覧している所で今後、廃棄物処理及び清掃に関する法律に基づいて許可申請することになり、適正な審査を行っていきたいと答えました。 尾上議員は、「今日の質疑をふまえて中山エコメルト事業の安全性が確保できていないということが一層明らかになった。地球環境、温暖化の問題、地域住民の命と健康の問題を解決することが先決。資本の論理で金儲け中心に大阪市が事業者に肩を貸す理由は全くない。最終的に許認可を与える市長の責任が大きく問われている」と主張しました。
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