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ヒートアイランド対策の抜本的な強化を強く要望

環境対策特別委員会で北山議員

北山良三市会議員

2008年4月28日

 4月28日、環境対策特別委員会で日本共産党の北山良三大阪市会議員は、ヒートアイランド現象が引き起こす被害や悪影響の実態に対し、対策の目標や取り組みがそれに見合ったものになっているのかどうか当局を厳しく質しました。

 北山議員は、快適性の喪失や健康被害、都市型災害、経済的損失という点がヒートアイランド現象による影響との環境局の答弁を受けて、その4点に加えて環境破壊を促進するという点でも重大な悪影響を及ぼしていると指摘しました。

 北山議員の示した資料では、大阪市の熱帯夜日数は、過去20年間の平均で39.3日で、東京などヒートアイランド現象が顕著な7つの都市と比べてダントツの1位。また、真夏日も74.8日、8月の平均気温でも沖縄の那覇市が29度であるのに対して大阪市は29.1度と過去10年間の平均が一番高く、他都市と比べても大阪市は一層深刻な事態であることがはっきりしています。

  北山議員は、このような深刻な状況に対して、平成14年度から19年度のヒートアイランド対策事業の取り組みは、公共建築物の屋上緑化が年平均3〜4件、保水性舗装に関しては現在17.5qで、市道延べ3,842qの内わずか0.455%という水準にとどまっておりこのような実態を局としてどのように評価しているか質しました。

 環境局は、「ヒートアイランド対策を限られた予算の枠内で粛々とすすめたい。平成32年度までに熱帯夜発生を食い止めることを目標にがんばっていきたい」と答えました。

 北山議員は、19年度までの取り組みもそうだが、平成20年度の事業計画が「区役所の屋上緑化1件、学校の校庭芝生化12校・壁面緑化12校、保水性舗装2q、ESCO事業1件」というのもあまりにもお粗末で、深刻な実態と乖離していると厳しく批判し、今後の取り組みを抜本的に強める必要があると指摘しました。

 その上で北山議員は、大阪市の目標設定に甘さがあると指摘。大阪府のヒートアイランド対策の目標は、平成16年6月に「2025年までに熱帯夜数を現状より3割減らす」と決めたのに対して、大阪市の目標は平成17年3月に「2020年までに年平均気温の上昇傾向を抑え、熱帯夜日数の増加を食い止める」とした。府の「3割削減」と比べて市は「増加を食い止める」と全く消極的で府との整合性もとれていない。どういう経過でこのような目標設定にしたのか質しました。しかし、当局からは明確な答弁がありませんでした。

 北山議員は、「『2025年までに3割減らす』という府の目標を前提に市の目標を掲げるべきではないか。今は答えられない状況なのだろうが、局としてもしっかり議論してほしい」と求めました。

 最後に、北山議員は、ヒートアイランド対策のポイントは緑化対策であり、いかに緑を増やすかがあらゆる対策のポイントになると指摘、大阪市の新たな「風の道」事業においても、歩道の緑被率を増やすことが成功のカギだという指摘があることを紹介しました。

 北山議員は、「大阪市の緑化対策目標は、21世紀中葉までに、都市公園の市民一人当たりの面積を7uに増やす、樹木・樹林率を15%に増やす、自然面率を30%に増やすとしている。しかし、公園事業費の予算は、ピークの平成13年、14年度の160億円と比べ平成20年度は32億円で五分の一、緑化事業はピークの平成12年度の42億円と比べて平成20年度は14億円と三分の一に減っている。これでは本気になって取り組んでいるとは、市民にはとても理解できるものではない。あらためてヒートアイランド対策の抜本的な強化を」と強く要望しました。